【いろいろtv_#04】教えて橋本さん『坂との向き合い方』

いろいろ社の新たなプロジェクト「いろいろTV」。いろいろ社 社長の青木が気になる人に、いろいろなおはなしをお聞きするオンライン番組です。

第4回目はゲストに坂道学会員の橋本道成さんをお迎えして「坂との向き合い方」について、いろいろなおはなしをお聞きしました!

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目次

名前のある坂を巡る、坂学会員のライフワークに迫る

今回は橋本さんの趣味である「坂」についておはなしをお聞きしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。後ろに夜景が見えていますが、今どちらにいらっしゃるんですか?

よくぞ聞いてくれました!今「赤坂」におります(笑)

やはり坂が付くところがお好きなんですね(笑)

そうですね。名前も本当は橋本ではなくて、坂本だったらよかったのにと思っているくらいです。

坂愛が止まらない橋本さんなんですが、最初に自己紹介をお願いします!

橋本道成です。青木さんと中学高校の同級生で、今は福岡で弁護士をしています。

ライフワークとして、東京を中心とした名前の付いた坂を回っています。東京23区に名前が付いた坂が約800程ありまして、そこをすべて踏破しました。23区を全部巡れたというのが自慢です。

すべて回ったんですか!それは1つ1つチェックしていくんですか?

そうですね。「坂学会」に所属しているんですが、そこで名前の付いた坂のリストを公開しているので、それがGoogleマップとも連動しているので、プリントアウトした地図にチェックを入れて回りました。

この趣味はいつからはじめたんですか?

2015年からです。今の拠点は福岡市なんですが、以前在籍していた事務所で東京に出向する機会が2回ありまして。2回目は短期だったから家族もついてきてくれなくて、東京ですることがなかったんですよ(笑)

最初は坂巡りから始まったのではなくて、東京にしかない高級マンションがたくさんあるのでそれを巡っていました。あるとき傾斜に標識があって、名前がついている坂と出会って、そこから坂巡りに足を踏み込みました。

坂への入り口は高級マンションだったんですね!坂に興味がある方って世の中にどれくらいいらっしゃるのかわからないんですが、有名な方でいうとタモリさんですよね。

そうですね。タモリさんは「日本坂道学会」という学会を作っていて、講談社から本が出ています。講談社の偉い方がそもそも坂がお好きで、その方とタモリさんが「日本坂道学会」を作りました。世の中に出回っている坂の本の入門編にあたる本はだいたい2人が書いています。

僕も事前に1冊読みました。タモリさんが実際に歩いて、写真を撮って書かれた本ですよね。

タモリさんがその坂を訪れたときのエピソードも書いてあります。タモリさんが散歩をしていたら、麻布の暗闇坂の標識に車が突っ込んできたとか、そんなはなしも書いてあってとても楽しい本ですね。

この本を読んでから坂巡りをするとより楽しめそうですね。

地図も掲載されているので、このルートで回ると1日に何個くらい巡れるとか、この近所にはこんなお店があるとか、いろいろな情報が書かれています。坂だけをただ巡るのはストイックすぎるので、この本を読んで巡ってみるのがおすすめです。

でも橋本さんはストイックに坂だけ巡られているんですよね?(笑)

私の場合は、できる限りはやく坂を巡りつくしたかったので、付近に何かあっても脇目も振らずに巡りましたね。

御朱印を集めることも趣味なので、近くに神社があれば神社には寄っていましたけど、それ以外はほとんど寄り道はしなかったですね。

ストイックな坂巡りですね。ちなみに坂を巡ってどんなことをするんですか?

ある意味コレクションなので、坂と標識の写真を撮って、自分はこの坂に行ったぞと楽しむ感じですね。

この時代写真を撮ることも大変なんですよ。横浜に「乙女坂」という坂がありまして、その周辺は女子校が多い場所で、時間帯によっては女子高生がたくさんいるんです。そこで写真撮ってたら多分変質者だと思われるんじゃないですかね。

「坂が好きなんです、女子高生に興味ありません」と言っても一般的には難しいと思いますね。1日坂巡りをしていたときに、「乙女坂」に行くのがたまたま夕方になってしまって、女子高生がたくさんいて写真撮ったら捕まるかもと思って、次の日、学生がいない時間に出直しました。

2回、3回行ってる坂もあるんですか?

坂を巡っているとときどき迷子になるんですよね。この坂が「▲▲坂」だと思って写真を撮るんですけど、あとあと坂学会のHPと照らし合わせていたら、なんか風景が違うなということがありましたね。

行くのが大変なエリアだと困りますね。僕は世田谷区でそういうミスをやらかしがちですね。港区は標識があることが多いんですが、世田谷区は坂の標識がないこともあって。青木さん坂の標識を見たことありますか。

港区でよく見かけました!せっかくなので、橋本さんのコレクションを共有してもらってもいいですか?

いろいろtv用の坂の写真とクイズをご用意しました。

これは冒頭で青木さんにご紹介した「青木坂」ですね。タモリさんの本にも出ていたと思います。港区の広尾の辺りにあって、とてもおしゃれな坂なんですよ。

「冬青木」と書いて、「もちのき坂」と読む坂も青木と入っています。

僕この「青木坂」は通ったことがあります!フランス大使館の近くですよね?両側に高級マンションがある辺りですね。僕も散歩が趣味なので、東京出張のときの移動はよくぷらぷらと歩いています。

今おはなしに出た「青木坂」の写真をお見せしようかなと思います。実はそれぞれの区によって、坂の標識や形が違っていて、港区は木で作られているんですね。歴史的なものが多くて、雰囲気があるんですよ。ちなみに日向坂46は多分この「日向坂(ひゅうがざか)」から多分命名していると思います。

「乃木坂」「欅坂」など、坂系グループの坂はほとんど港区の坂ですね。「欅坂」は六本木ヒルズを作るときに、切り開いた場所なんですが、もともとあの辺りは土地に高低差があるのでそこに坂ができたので、比較的に新しい坂ですね。「桜坂」はいろいろあるんですが、六本木ヒルズの西側にある欅坂よりも西側にある「桜坂」から取っているんじゃないかなと思います。これも人工的な坂ですね。

橋本さんが巡った約800の坂の中にも、昭和や平成にできた新しい坂もあるんですね!

そうですね。六本木ヒルズの建設は平成ですね。あとはアカサカサカスの中に「サクラ坂」と「サカス坂」があって、ここも新しくできた坂ですね。古い坂もあるし、新しい坂もあるし、なくなっていく坂もあります。

六本木ヒルズができたときに再開発をするにあたって、もともとあった坂がなくなったこともありました。今も六本木の再開発予定地では坂がいくつかなくなるかもしれないというはなしもあります。

鉄道マニアの方々みたいに、坂がなくなるときに写真を撮りにいきたくなるものなんですか?

坂がなくなるまでに写真を撮りたいという気持ちはあると思いますね。

東京には「富士見坂」がいくつかあります。西に下がっていく坂は、西向きに視界が開けるので、その先にあまり高い建物がなければそこから富士山がよく見えていたんですね。

荒川区にある「富士見坂」という名前の坂なんですが、この辺りにマンションが建ってしまったことで富士山が見えなくなってしまいました。ここは富士山に夕日が沈んでいく「ダイヤモンド富士」を撮影できるスポットとしても有名な場所だったんですが、このマンションができると決まったときに、写真好きの人たちがこの坂に集まって、最後のダイヤモンド富士を撮っていたというのはニュースにもなっていましたね。

これは荒川区にある「富士見坂」なんですが、拡大するとシールが貼ってあるのが見えるんですけど、”都心にいくつかある「富士見坂」のうち、最近まで地上から富士山が見えていた”と過去形になってしまっているんですよ。ちょっと悲しいですよね。

坂がなくなるだけではなくて、景色が変わってしまうのは悲しいですね。

坂巡りを通じて、その土地の歴史や地形を知る

今視聴者の方から質問をいただきました!「今一番お気に入りの坂があれば教えてください」とのことですが、いかがでしょうか?

一番のお気に入りを選ぶのは、結構難しいんですけど…

思い出があるのはよく通っている坂ですね。大学時代に学校までの道のりにあった坂があって、思い入れのある坂はその坂ですね。

東京エリアで働いている人は特にだと思うんですが、日常的に通っている坂って多いと思うんですよね。意識せずに通っている坂にも実は名前があって、そこに気がつくことが楽しみ方のひとつだと思っています。

地形と密接になるとは思うんですが、どのエリアが坂が多いんですか?

23区だと西側のエリアに坂が多いと言われています。

東京は武蔵野台地が多摩川で途切れるんですが、だいたい台東区や文京区、港区の辺りですね。そのエリアは河で削られ、高低差が生まれて坂になっています。

東京は武蔵野台地が多摩川で途切れるんですが、だいたい台東区や文京区、港区の辺りですね。そのエリアは河で削られ、高低差が生まれて坂になっています。

名前の付いた坂がない区が都内に3つあるんですが、だいたい東側ですね。青木さんわかりますか?

江東区!

残念!江東区には名前の付いた坂があります。

でもこれは無理やり名前をつけた坂で、江東区に「ティアラ江東」という文化会館がありまして、その建物の地上と1階を結ぶ階段があるんですが、この坂に「ドレミ坂」と「ピピッコロ坂」という名前が付けられました。江東区はあまり高低差はないんですが、人工的に作って名前をつけた坂があります。

これは坂なんですね!

我々の業界では、「階段坂」と呼んでいます。

坂を定義するのに長さとか何かあるんですか?

特に定義はなくて、高低差があればそれはもう坂と認識されるんだと思います。

23区ですよね。江戸川区?

江戸川区、正解です!

葛飾区?

正解です!あと1つは意外なところです。

ダメだ!わからない、小林さんはどうですか?
えーどこだろう?台東区は、たくさんあるか…墨田区も違いますよね?

墨田区は惜しくて、3つしかないんですよ。そのうちの2つはスカイツリーのふもとにある「ソラマチ」に、「ソラミ坂」と「ハナミ坂」ができました。

墨田区はあまり高低差がないので、もともとある坂は1つだけです。なかなか正解がでないので、答えをお伝えすると中央区なんです。意外でしょう?

えー意外ですね!

中央区は江戸時代からの古い埋立地なので、坂があまりないみたいですね。坂学会のHPには、中央区の坂は1つも載っていません。

僕もかつて中央区に住んでいたことがあるんですが、確かに平らな印象ですね。

特に日本橋なんて平らですよね。

だんだんと坂の面白さがわかってきました(笑) 

脱線しちゃいましたが、ご質問にお答えすると、お気に入りの坂は本郷にある「新坂」ですね。

「新坂」の由来は新しい坂なんです。この坂は江戸時代にできていて、標識に”できたときは新しかったので「新坂」と呼ばれたが、今は古い”と書かれていて、そんな良さもあったりします。

これは、文京区ではなくて千代田区ですけど新坂の写真です。

この写真に写っている建物はなんですか?

これとても立派でしょう?日比谷高校です。日比谷高校に通っている人は、慌てて登るので「遅刻坂」なんて呼ぶ人もいるみたいです。

興味を持って巡っていると、そういうエピソードがどんどん蓄積していくんですか?

そうですね。標識に書いてあることもありますし、坂目当てで都内を巡っていると言えど、周りは見ているのでこれが日比谷高校か!という発見があります。

あと地図を見ていると、横に何があるのかを認識できますね。大使館があるエリアはもともと大名屋敷だったところが多いんです。大名屋敷はもともと坂の上の水捌けのいい場所にあります。大学もそういう場所に立つことが多いですね。慶応大学の裏も「綱坂」という綺麗な坂があります。

田町の方から麻布十番に向かって歩く坂ですよね?出張であのエリアに泊まる時期があって、よく散歩していました。

おしゃれなエリアを散歩されてますね。

この坂は千代田区の国会議事堂や議員宿舎にある「三べ坂」なんですが、この坂の近くに3つの”べ”がある坂です。古地図を見るとわかるんですが、阿部さん、岡部さん、渡邊さんの大名屋敷があるので、「三べ坂」という名前になったそうです。

江戸時代の坂の名前の付け方ってとてもしゃれているんですよ。

粋なんですね!

他にも「紀尾井坂」という坂があるんですが、紀州徳川家の”紀”、尾張徳川家の”尾”、彦根藩井伊家の”井”を取って名前がつけられています。

こういう江戸時代の地図を見て、巡っているとまた楽しみがあったりするんですか?

今の地図と江戸時代の古地図を照らし合わせられるアプリがあったり、行政や自治体が発行している地図があったりして、そういうのを取り入れながら楽しんでいます。古地図を見ると、昔こういうものがあったんだと知ることができて、楽しいですね。

文京区では区の教育委員が発行した「ぶんきょうの坂道」という本があるんですが、amazonなどでは買えなくて、これがなかなか手にすることが難しいんです。区役所か区内の施設など、都内でも3ヶ所くらいしか販売しているところがないので、僕もまだ「ぶんきょうの坂道」の最新刊は買えていないんですよね。

改訂版がずっと出ているんですか?

坂の研究は日夜行われていて、由来がわからなかった坂でもあるとき何か書物が出てきたことで、わかることがあるんです。そうするとその分が改訂版が発刊されます。

坂道を巡るって、とても知的な趣味なんですね。

意外と奥深さがあるんですよ。

文京区に「開運坂」があるんですが、なんで「開運坂」と呼ばれているかわかっていませんでした。でもあるとき「開運坂」の上に嘉納治五郎が開いた道場があって、嘉納氏がその坂を「開運坂」と名づけたというエピソードを嘉納氏の弟子が記した書物がでてきてわかったというエピソードもあります。

坂学会の方がその本に関わっているんですか?

「ぶんきょうの坂道」は関与していなかったと思います。

基本的には教育委員会の方が、歴史的なことを調べた結果分かったことを反映するもののようですね。郷土史のようなものなんでしょうね。

福岡や熊本、長崎でも名前の付いた坂に出会える

これまで東京の坂をたくさんご紹介いただきましたが、今私たちが住んでいる福岡の坂はどうですか?

福岡城跡に名前のついている坂がいくつかあります。

もともと福岡城は黒田如水が名島から移してきました。福岡市内は基本的には平坦な地形が多いんですが、福岡城のあるあたりは少し高低差のあるエリアで、その地形を生かして築城したのだと思います。だから中央区は特にこの福岡城から、桜坂や小笹方面までは、坂が多いですよね。

名前はついていないことが多いんですが、先日小笹団地の先に誰が設置したかもわからない標識があって、「三日月坂」と書かれているのを見つけました。他にも南区にある筑紫丘高校の近隣住民のみなさんが名前をつけたというおはなしもありますね。

長崎も坂が多いですよね。長崎には名前のある坂も多いんですか?

そうですね、長崎には名前の付いている坂が市内に50〜60あります。

あとは平戸市にも多いですね。熊本県も多いですね。

熊本はあまり高低差があるイメージがないので意外ですね。市内にもたくさんあるんですか?

熊本城の辺りは山ですね。上熊本駅を登ったところに裁判所があるので、ときどき行っていたんですが、上熊本駅から熊本城に向かう辺りが一番高低差があって、名前の付いた坂がたくさん隠れています。

坂を巡るときはお一人で行かれるんですか?

坂学会のイベントがあって、会員の中でも知識のある人が案内して数名で巡ることもありますね。数年前に千葉県我孫子市の坂を巡ったことがあります。

でもそれ以外は誰も一緒に巡ってくれる人がいないので、基本的には1人ですね(笑)

でも1人で巡っても楽しい趣味ですよね。

1人の方が集中して巡れますね。

少し曲がっていて風情があることが橋本さんの「良い坂」の定義

橋本さん的に”いい坂だな”と思うポイントはどんなところにあるんですか?

そうですね。ではまず悪い坂がどういう坂なのかというのを写真で見てもらいましょう(笑)

これは足立区にある「ハートアイランド」というニュータウンに、「さくら坂」と「ふじみ坂」という人工的な坂ができました。人工的な坂は、まっすぐに伸びていて、周りの風景に風情がないんですよね。

こういう坂と比較してもらうと、良い坂をわかってもらえるのではないかなと思います。

先ほどもご紹介した「青木坂」を見てもらうとわかると思うんですが、周りが高級住宅地で緑もあって、少し曲がっているんですね。昔からある坂は少し曲がっている坂が多いんです。山を避けたり、まっすぐにすると勾配がきつくなってしまったりという理由もあって少し曲がっているんだと思います。

だから地図を見るときも、まっすぐではなく、少し曲がっている道は坂が多いですね。あとは「▲▲台」と「▲▲ヶ丘」という名前になっていると、なんとなく坂が多いのかな?なんて考えたりして。

逆に渋谷や四谷のみたいに「谷」がついている地名もわくわくしますね。個人的には、傾斜がきつい坂は登っていて楽しいですね。傾斜のきつい坂には、丸いつぶつぶがついていて、滑り止めみたいになっているんですよ。港区は傾斜がきつい坂が多いですね。

多分偶然だとは思うんですが、紹介してもらっている港区の坂は、僕が過去にいた会社に近い坂が多くて、当時のことを思い出しますね。

この坂はわかりますか?

青山霊園の近くですか?

これは大田区の坂なんですけど…

あ!「桜坂」ですか?

正解です!

ご本人は明言されていないので真相はわかりませんが、福山雅治さんの名曲「桜坂」はこの坂だと言われていますね。

写真を見たら、どこの坂と言い当てられるんですか?

得意な坂と苦手な坂がありますね(笑)

坂ライフを楽しむ秘訣は、ストイックになりすぎないこと

またご質問をいただきました!「坂に大変興味が沸きました!これから坂ライフを始めるにあたって、注意点などあれば教えてください」とのことです。あとは坂ライフを始める上での、心構えもお聞きしたいですね。

ストイックにやりすぎると、坂を嫌いになってしまうので、5〜6個とかを目安にするといいですね(笑)

あとは港区や千代田区など、昔の坂を先に巡るといいかもしれないですね。名前がついている坂はだいたい江戸時代についているので、江戸城に近いところ程、大名屋敷があったりしてストーリーを感じられます。タモリさんの本を片手に、1時間くらいで巡るのがおすすめですね。

あとは写真を撮るとき、坂の下から撮るときは盗撮と勘違いされないように気をつけましょう(笑)そこは本当に用心してください。

坂の写真を撮るときは、下から見上げて撮った方が綺麗に写るんですか?それとも上から下に向かって撮る方がいいのかとかあるんですか?

質問してほしかったことを聞いてくれてありがとうございます(笑)

人によって違うとは思うんですが、下から撮影すると登っていく感じ、坂と対峙している雰囲気が撮れます。

僕は下から撮る派なんですが、「富士見坂」のように景色が開けているところだと上から撮るのがいいでしょうね。上から撮影すると、意外と傾斜がわかりづらいんですが、誰かが降っているところが撮れることもあって、それはそれでよかったりしますね。一番いいのは、下から撮って登って、上からも撮る!これですね(笑)

坂と向き合う時って、先にその坂の情報を調べてから行くんですか?それとも行ったあとに周りを散策したり、本を見たりするんですか?

僕の場合は、まず地図に落として、なるべく効率的に巡れるようにしています。

歩いて巡れるくらいのエリアであればいいんですけど、23区を離れるとバスでしか行けない場所もあるので、帰りにバスの時間なども調べておかないと怖いですね。

あとは急な雨は大敵で、雨が降ると傘をさして写真を撮らないといけないのでそれも大変ですね。

ある程度事前に調べて、観光名所的な気持ちで行くという感じなんですね。
終わりのお時間も近づいてきたので、今後の”坂活”について聞いておきたいですね。

23区巡り終えたので、まずは23区の周辺で横浜市や国立市などを巡っていこうかなと思っています。

横浜市はすでに100以上は巡っていますね。横浜市は広いので、まだまだあります。海沿いだけではなく、東急田園都市線沿いも高低差が激しいので坂が多いんです。

東急田園都市線の駅名を調べると、「▲▲台」という地名も多くて、坂道が多そうだなって。でも横浜市は回り出すとキリがないので、23区内に戻るべきか考え中です。

坂に自分の名前を付けたいなと思うこともあるんですか?

坂の名前は自分で付けるものではないですからね(笑)

今後は23区なのか、長崎市なのか、出張で訪れる地を巡るのか、様々な可能性があるということですね。

長崎市はもう半分くらい巡ったんですが、長崎が大好きなのですべて巡りたいなと思っています。

巡ったことを誰かに伝えたいということでもないんですか?

そうですね。伝えて喜んでくれる人もあまりいないのかなと思います。

長崎市役所の方にお会いしたときは、「長崎市内には名前のついている坂がこんなにあって、これくらい巡ったんですよね」と伝えたいですね(笑)

今後お仕事がどこに広がっていくかで、坂の世界も広がっていくと思うと楽しみですね。場合によっては海外の可能性もあるんですか?

サンフランシスコとかすごそうですよね。

最後に坂ライフを始めようとしている方へメッセージをお願いします!

港区や千代田区などの中心部な坂から巡ってみてください。あとは「全力坂」とか坂に関するTV番組などを観てもらえると少し坂に興味が持てるのではないかなと思います。

福岡でも「全力坂」をやってくれたらいいんですけどね。青木さんやってみませんか?いろいろtvの番外編で全力坂してくださいよ(笑)

アイドルじゃない人がそれやって需要ありますかね?大丈夫かな?(笑)

以前テレ朝の記念番組で、キムタクが1日で40〜50の坂を走るという企画もあったので、青木さんも大丈夫ですよ!

需要を考えずに坂を歩いてみたいと思います(笑) 坂のはなしだけなのかなと思っていたんですが、広がりがあるんですね。

坂の周りにいろいろなものがありますし、地形も楽しめますのでおすすめですね。

とても知的な趣味で素敵でした!今日は本当にありがとうございました!

〜第4回目の「いろいろTV」を終えた青木の振り返り〜

「坂」の先に歴史はもちろん地形や地理といったことが見えて、「坂」の奥深さを実感しました。どこかに行った時、何気なく見ている景色も少し踏み込んで見るとその先にいろいろなことがあるんだなと浪漫を感じられる趣味。坂は世界に広がっているので、橋本さんの向かう先にも改めて興味がわきました。