いろいろ社の新たなプロジェクト「いろいろTV」。いろいろ社 社長の青木が気になる人に、いろいろなおはなしをお聞きするオンライン番組です。
第6回目はゲストに株式会社POOLの内島来さんをお迎えして「ブランディングの仕方」について、いろいろなおはなしをお聞きしました!
目次
映像制作から代理店へと転職し、プロジェクトマネージャーの道へ
POOL九州の内島です。よろしくお願いします!頑張って資料作ったら100ページくらいになってしまいました(笑)
まずは僕の自己紹介から、内島来(きたる)と申します。今は福岡に住んでいるんですけど、生まれは長崎県長崎市です。今年39歳になります。生まれは長崎だったんですが、父の仕事の都合で鹿児島に行ったり、また長崎に戻ったりして、大学から東京に行きました。
大学卒業後は、AOI Pro.という映像のプロダクションに就職して、そこでTVのADのような感じでハードに働いていました。30歳を超えたときに、九州に戻って仕事をしたいと考えるようになって、今の会社に転職をしました。それまでは映像に特化した会社にいましたが、他にもいろいろチャレンジしてみたいなと思って、今在籍している株式会社POOLに入社しました。
POOL社自体は東京に本社があるんですが、そこから2019年11月に福岡に引っ越し、POOL社の九州支社として仕事に取り組んでいます。趣味は食べることなんですが、最近のブームは佐賀ラーメンでことあるごとにラーメン食べに佐賀に行ったりしています。青木さん佐賀ラーメンって知ってます?
ぜひ食べてみてください!九州といえば豚骨が主流で、福岡はもちろん熊本や鹿児島などは有名ですが、佐賀のイメージはまったくなくて。とことんクリーミーなんですよね、佐賀市内には御三家があるんですが、どれもとても美味しいですね。特におすすめは『幸陽閣』です。
佐賀市です!あとは京都にある『中華のサカイ』というお店の冷麺が超おすすめです!店先に「冬でも冷麺」と書いてあるくらい冷麺を推しているお店です。なんてことはないんですけど、麺に錦糸卵ときゅうりとチャーシューがちょっと乗っているんですけど、辛子マヨネーズ風味のタレが最高なんですよね。あとは丸岡の餃子も大好きですね。食以外には、地元長崎のJリーグチームを応援していて、今年ついに年間シートを購入しました。
そうですね。毎週のように通っています(笑)
これは九州に帰ってきてよかったなと思っていますね。東京にいる頃は、アウェイで観に行っていました。長崎は新幹線が今年の9月に開通することもあって、スポーツを軸に街づくりをしようという動きが大きくなっています。みなさんもご存知かと思いますが、ジャパネット社が中心となって計画が進んでいます。あとはドーミーインが大好きです(笑) 出張に行く時はまずドーミーインを探しますね。
夜泣き蕎麦食べたり、ドーミーインコちゃんというオリジナルキャラクターがいたりと楽しんでおります。前の会社が映像関係だったので、昔はハーゲンダッツのCMやHKT48の『恋するフォーチュンクッキー』のMV撮影に携わっていました。POOL社に転職後は、映像だけではなく施設のブランディングや開発などにも携わっています。
高いクリエイティブ力を活かし、「コミュニケーション」「ブランディング」「デベロップメント」に取り組むPOOL社
まず社名には諸説ありまして、社長が水泳部だった説とかいろいろあるんですが、人が集まる場所にしたいという想いが込められているようです。
あれは実はイルカなんですが、POOL社社長の小西利行が以前、『伝わっているか?』というタイトルの書籍を出版していまして。そのときに登場するキャラクターを作ろうということになって、イルカくんが誕生しました。オフィスには1mくらいある実物大のイルカくんもいます。POOL社は東京本社と九州の2拠点なんですが、九州と言っても実は僕1人でして、東京のリソースを使いながら九州を中心に活動しているという状況です。
元々は広告の会社で、博報堂や電通を退職した人たちが集まってできた会社です。職種としては聞きなれない言葉かもしれないんですが、企画を考えるときの統括を務めるクリエイティブディレクターや写真やデザインなどのビジュアル面を統括するアートディレクター、キャッチコピーや言葉を考えるコピーライター、C企画やコンテを考えるプランナー、そして僕が担当しているプロジェクトマネージャーなどのポジションがあります。基本的には製作や企画の進行を担当しています。規模的には30名くらいの小さな会社です。
具体的には、「コミュニケーション」「ブランディング」「デベロップメント」の3つをメインにしています。代表がコピーライターだったので、企業のビジョンやスローガンなど、広告以外のコーポレートアイデンティティと呼ばれる部分に携わるようになりました。そこから派生して施設や街のコンセプトを考える仕事もしています。現在は広告会社というよりも企画を考える会社として、いろいろな企業さんのお手伝いをしています。
以前は企業やブランドのタグラインを考えることもあれば、CMの企画から製作を担当することもありました。サントリー社の『伊右衛門』などのネーミングやコンセプトや広告表現を考えたり、トヨタ社のクリエイティブ全般をしたりもしています。スターバックス社ともお付き合いがあって、4年程前から、お客様にどのようにメッセージを届けていくのかをビジュアルも含めて提案しています。最近だと、バナナのフラペチーノですね。
最近の高校生はすごいなと思うんですが、スタバでフラペチーノを飲むと、700〜800円くらいするじゃないですか。僕の高校時代簡単に800円出せなかったので、すごいなあと思います。
そこは上手にパパパワーを使うわけですね!2018年の『ストロベリーベリーマッチフラペチーノ』は当時のフラペチーノ史上の世界記録を塗り替えるような人気商品になりました。去年は47都道府県の地元フラペチーノ企画を考えて実施しました。
最近僕も担当していたのが、全農さんのお仕事ですね。「若者にもっとお米を食べてほしい」というオリエンテーションをいただいて、いくつか企画を提案しました。「マジで米食う3秒前」という年齢が高い方にはピンとくると思うんですが、MK5ですね(笑) この企画のときに調べていて驚いたんですが、今の若い人たちもSNSでMK5って使っているんですよ。
僕たちとしては、若者が直感的にごはんが食べたくなるような企画を考えて、6秒1本の映像を作成しました。ごはんが食べたくなるようないろんな動画を22本程作りました。これをひたすらいろいろなところで流してもらいましたね。このキャンペーンも「MK3」というキーワードのもとに広告を回すこともありました。
料理科のりゅうじさんや鬼滅の刃で禰津子役を演じていた声優の鬼頭明里さんを起用しながら企画を展開していきました。PR的にも成功した事例で、TBSの「THE TIME」で紹介してもらうなど、いろいろな角度からアプローチできた企画になりました。
あとはブランディングは、一昨年くらいにダイソーさんのリブランディングでロゴ、ビジュアル、製作までをお手伝いしました。他にも、ロート製薬社の『SUGAO』シリーズのネーミング、キービジュアルやmixi社の企業メッセージやビジュアルの整理をしています。力の源ホールディングス社の人気ラーメンブランド『一風堂』のロゴもPOOL社が携わっています。
今から7〜8年前なので、僕はまだ入社したばかりなんですが、盛り上がっていろいろおもしろいことをやっていまして、印象に残っているのは、餃子味の飴を作ってことですね。一風堂さんは面白いことが大好きな会社なので、餃子味の飴の試食を繰り返しました(笑)
今話題の『挽肉と米』も出資をしていて、プロデュース兼クリエイティブ企画も担当しています。最初に吉祥寺店がオープンして、次に渋谷店ができたので次をどうするかというところですね。こちらも店舗デザインや全体のディレクションをしています。駆け足で来ましたが、ここでちょうど半分くらいですね。
施設に関わる人たち「みんなの夢やビジョン」のコンセプトをつくる
前置きが長くなりましたが、POOL社では広告や企業のブランドづくりをしていますが、僕が入社した頃あたりから開発案件の声がかかりはじめました。そこからどんどん開発案件が増えてきています。大型の商業施設というと、どこも同じような店舗になってしまいがちですが、これからはオリジナリティやその土地の魅力を伝えられたり、物を売るだけではなくファンを作ってその場所に足を運んでもらう時代になっていくというところで、POOL社が施設と関わっていく機会が増えているなと思います。
東京都立川市にある商業施設『GREEN SPRINGS』、京都にあるホテル『THE THOUSAND KYOTO』、同じく京都にある複合施設『GOOD NATURE STATION』、埼玉県越谷市にある温泉施設や葛西臨海公園にある商業施設などにも携わっています。
でもなぜ広告をやっている会社が、施設開発に関わっているのかと疑問に思われる方も多いと思います。まず何かブランドを開発する際、実際に動き出す前に、どういう場所にしていきたいかを考えなければいけません。基本的にはデベロッパーや設計会社が提案する機会があると思いますが、僕たち広告業界の会社が関わることでより多くの人に情報や魅力を届けることができます。そのときに大切にしているのは、作り手ではなく使い手の視点で常にコンセプトや場所の在り方を考えて設計することです。
どうしてもデベロッパーやそこで働く従業員の方々の意見だけを聞いていると、「それは無理だよ、できないよ」という意見がでてきがちなんですが、お客さまにとってそれが本当にサービスなのか、それって本当に正しいのかということに真剣に向き合い意見するようにしています。
ケースバイケースではあるんですが、『GREEN SPRINGS』の場合は開業の4年前くらいから携わっています。
グリーンスプリングに関しては、ここにこういう物を作るという箱が決まっている状況のときに、声をかけていただいて、取り組みがスタートしました。POOL社が一番最初に携わったサウザント京都の場合は、ある程度設計が固まっていてネーミングやロゴを考えて欲しいというオーダーだったんですが、いざそこを考える前に「この施設はどういう場所にしたいんだろう」というところから、デベロッパーや設計チームとコミュニケーションを重ねていくうちに、改めてこの施設をどういう場所にしたいのか、全員で考えようということになりました。チームのトップの方の判断で、前向きにみんなで考え直す作業をしていきました。本当にケースバイケースですね。
では実際にどんなことをやっていくんだというと、まずは施設のコンセプトメイキングです。ビジョンやコンセプトは解釈がいろいろあると思いますが、POOL社ではビジョンは「みんなの夢」だと考えていて、そこにいくための矢印をコンセプトとしています。
コンセプトってなかなか理解できないところもあると思うんですが、僕たちの中では「判断基準」だと思っています。「みんなの夢」に向かって右に行くか、左に行くかの選択肢は人それぞれにありますが、それが正しいか正しくないかという判断基準としてコンセプトを設けて、チーム全体でそれが共有できれば同じ方向に進んでいくことができます。目指すところが同じになることで、統率が取れてくるんですね。コンセプトってもちろん、施設が完成したあとのお客様に対してという物でもあるんですけど、施設を作る段階でそこに関わる人たちが意思疎通するための合言葉みたいな意味合いもあると思っています。
もちろんです!僕がまだ入社する前の案件で、POOL社の代表が埼玉県越谷市にある『イオンレイクタウン』というイオン社の超大型ショッピングセンターのコンセプトに関わっていました。今から10数年前に「エコ」という言葉はまだ浸透していかなかったんですが、「エコショッピング」という打ち出し方をしました。
『THE THOUSAND KYOTO』では「パーソナルコンフォートホテル」、『GREEN SPRINGS』内にあるソラノホテルでは、「ウェルビーイングホテル」というキーワードを提案しています。こういった言葉がひとつ置かれるだけで、照明やサインをどう作っていこう、部屋の作りをどうしようと何かを考える上でみんなが同じ方向を向いて進んでいけるのがコンセプトですね。
POOL社がまずコンセプトを作って、その場所に関わるすべての関係者の方にお伝えします。コンセプトとなる言葉だけ作っても意味はないので、コンセプトをもとにデベロッパーと一緒に正しいか正しくないかの判断を時間をかけて実施します。POOL社自体は、このようなコンセプト開発やブランディング、内外へ向けたコミュニケーションまでを全体的に担当しています。
パーソナルコンフォートホテル『THE THOUSAND TOKYO』
ここからは事例のご紹介していきます。1つ目は『THE THOUSAND KYOTO』です。京都の駅前にあるホテルで2019年の1月に完成しました。この案件は、2015年12月に京都駅の目の前に2000室規模のハイクラスホテルを作ろうと考えているという趣旨のオリエンテーションがありました。これはすべての案件に共通することなんですが、まずは悩みが何かを考えなければいけません。
例えば、企業がリクルーティングに力を入れていきたいという課題やもっと認知を高めたいという課題を持っていれば、その課題を解決することもブランディングです。いろいろな悩みがある中で、まずは何がやりたいかという意見を聞くことからはじめます。実はそこがずれているケースは世の中にたくさんあると思っていて、私たちが中に入って課題や悩みが何なのかをしっかりとヒアリングして、ゴール設定をしてきます。そのために、時間をかけていろいろな方にヒアリングをするところからはじまって、ビジョン開発、ターゲット開発など、開業するまでに200個くらいやるべきことが出てきます。例えば、施設のネーミングやロゴ、館内にある一角のコンセプトなど様々です。
まずはそのエリアでどのようなポジションのホテルを目指していくかを考えていきます。ここは僕たちが定義していくというよりも、ホテル側のADR(設定したい価格帯など)をヒアリングしながら決めていきます。次にターゲットを決めていくんですが、このときは「京都の豊かな知恵に触れる、パーソナルコンフォートホテル」でした。
その当時、アメリカのポートランドなどにある『ACE HOTEL』が賑わっていて、「ソーシャライズドホテル」と呼ばれていました。これはどういうことかというと、ホテルは一時期からWi-Fiを解放してロビーで仕事をしたり、打ち合わせをしたりする人たちが増えていたときに、エースホテルはその需要に対して誰にでも場所を提供していました。しかしこのホテルの場合、価格帯的にもゆっくりと落ち着いて向き合ってもらえるといいですよねということで、「パーソナルコンフォートホテル」決定。
ではここからデザインをどう考えていこうかというところで、リッツカールトンやシャングリラなど外資系の派手なホテルよりも、もっとミニマムですっきりしていてもいいんじゃないかという声があって、石や木、太陽の光など自然を感じられるような場所にすることをデザインコンセプトに定めました。
そのあと、施設の中身を決める前にお客様がどのような体験をしたら、京都のホテルに来て心地良い時間を過ごせるのかを想像しながら、お客様がどのようなサービスを受けられたら嬉しいかを考えました。その結果ホテル内の様々な場所に、いろいろな体験ができる仕組みを作るためのストーリーを作成しました。
例えば、「通り庭」という狭い道を通り抜ける体験があるんですが、考えたストーリーを実際に建築に落とし込んでいきました。京都には町屋ならではの細長い道が多いんですが、その体験をホテル内でもできないかということで、入口から中に入ると20mくらいの細い道があってそこを抜けると広い空間に広がっていくという建築になりました。
このホテルの場合は、デベロッパーと呼ばれるホテルを作るプロジェクトチームの一人ひとりに、「自分が憧れるホテル」や「どういうホテルをベンチマークにしたいか」「京都に来てどんな体験をしたいか」など約20個程の質問について答えを書き出してもらうようなワークショップを行います。その中で意見の多いアイディアや面白そうなアイディアをピックアップするところから始めていきますね。
このホテルの場合は、デベロッパーと呼ばれるホテルを作るプロジェクトチームの一人ひとりに、「自分が憧れるホテル」や「どういうホテルをベンチマークにしたいか」「京都に来てどんな体験をしたいか」など約20個程の質問について答えを書き出してもらうようなワークショップを行います。その中で意見の多いアイディアや面白そうなアイディアをピックアップするところから始めていきますね。
そうですね、コピーライターが中心となって文章を書いていって、そこにアートディレクターなど他のポジションの人たちの意見を追加して何度もみんなで話し合いながら作っていくイメージですね。お客様の体験それぞれを想像して、ストーリーを書いています。
そうですね。文字だけではイメージに差がでることがあるので、なるべく写真を添えて、提案した文章を誰もが理解できるものとして、頭の中でさらにイメージが膨らむように作るように心がけています。
ありがとうございます。コピーライターからするととても大変な作業のようです。このホテルの場合は、15ヶ所くらいストーリーを作成しました。レストランの場合、和食とイタリアンでも言葉は変わります。レセプションの際は、上海のホテルを視察しに行きました。スタート当初は階段がなかったんですけど、京都って自社仏閣がたくさんあって、階段を登ること自体が京都らしい体験だなという発想から大階段が追加されています。庭や大階段、お茶、アートなどのシンプルを設定しました。働く人向けには、花々より草木の緑、強い光よりも柔らかな光、甘い香りよりも清々しい香りなど、なんとなく感覚的に伝えたいものを文章化して、働く方々にブランドを意識してもらえるようなお手伝いもしています。
未来型の生命文化都市、ウェルビーイングタウン『GREEN SPRINGS』
続いて、『GREEN SPRINGS』についておはなししたいと思います。東京の立川市にある施設で、はじまりは2016年12月、まだ更地でした。こちらのデベロッパーは、立飛ホールディングス社でそこの社長さんが「文化のインフラを立川に作りたい」とおっしゃっていたのをとてもよく覚えています。
立川は東京の端っこの方にあって、都内23区に住んでいると立川に行く機会ってなかなかないんですよね。ベッドタウンとして機能している街なので、人口はとても多く立川駅は新宿駅に次ぐ降車駅と言われています。グループインタビューを何度も実施したんですが、皆さんが口を揃えて「なかなか行かないよね」とおはなししていました。そんな場所に、「文化のインフラを作りたい」とのことだったので、まずはこの言葉を入口にスタートしたプロジェクトですね。恵比寿ガーデンプレイスや六本木ヒルズができたことで、その街の景色や暮らしを変えたように、ひとつの施設から立川の未来を考えることをプロジェクトの意思として考えました。
時代のキーワードはとても大切で、これから先どんな社会になっていくかを提案していくのがPOOL社の仕事です。2016年当時のはなしなんですけど、『Snow Peak』が走り出したり、ファッションにも変化があったりしていました。あとはソーシャルデトックスみたいなことも言われはじめていましたね。
SNSをやめようとする人もいましたし、朝の時間の使い方にも注目されていました。今回新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、世の中の意識が大きく変化して”脱東京”の流れもできて、地方に移住する人も増えたと思いますが、そういう暮らし方も大事だよねという考えが増えています。時代の流れもそうですし、あるべき街の姿もそうですし、いろいろと想像をしながら目指すは「未来型の生命文化都市、ウェルビーイングタウン」というコンセプトを作りました。今でこそ”ウェルビーイング”というワードが定着していますが、当時はまだこれからというところだったので、そこの第一人者を目指していきたいということで提案をしました。まだコロナの前だったので、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催以降の世の中を想像しながら、「ウェルビーイング」というコンセプトに行きつきました。
どんなワードがコンセプトにふさわしいかを検討する中で、うちのチームの中で”こういう時代がきっとこの先くるよね”と想像しながら、ワードを設定しました。コンセプトを固めたあとにチームに浸透させていくかという観点でいくと、映像やブックレットを制作して関わっていく人たちに伝えていきます。
そうですね。これは絶対に外部には流出させないてくださいねとコンフィデンシャルをつけて使ってもらっています。こういったツールがあることで、テナントがリーシングに使えますし、施設の考えやコンセプトに共感してもらいやすくなります。
『GREEN SPRINGS』の場合、各施設の関係者が集まると200人規模になるんですが、こういう風な形で進めておくことで、コンセプトから大きくブレることなく、それぞれのプロジェクトを進めることができます。コンセプトを考えたあと、それをどう落とし込んでいくかが大切ですね。実際に足を運んだお客様が楽しくないと意味がないので。開業の1年前にホールでイベントをしたり、新聞に広告を出したり、SNSを運用したりと開業に向けたPRにも力を入れました。開業したときはコロナ禍でしたが、開放的な公園が施設の真ん中にあるので、安心して来場してもらうことができました。
僕はもともと広告を作る人間だったんですが、施設の仕事は場所を利用してもらえるという大きな違いがあって、そこを経験してもらえることはとても嬉しいですし、長く残っていくものに関わっていれるのはとてもありがたいなと思います。
〜第6回目の「いろいろtv」を終えた青木の振り返り〜
POOL社のこと、施設開発のプロジェクトのこと、具体的なお話をたくさん聞くことができて、非常に多くの気付きがありました。施設開発などの大規模かつ長期間に渡るプロジェクトにおけるコンセプトの共有の重要性、コンセプトを共有するための手法など、僕自身もとても勉強になりました。プロジェクトを進めている時と環境が大きく変わった中でオープンした『GREEN SPRINGS』がオープンしたあとのお話は次回に質問させていただこうと考えています。