【いろいろTV_#05】 教えて三浦さん 『VUCAを乗りこなす自己変容のススメ』

いろいろ社の新たなプロジェクト「いろいろTV」。いろいろ社 代表の青木が気になる人に、いろいろなおはなしをお聞きするオンライン番組です。

第5回目はゲストに株式会社dandanの三浦豪さんをお迎えして「VUCAを乗りこなす自己変容のススメ」について、いろいろなおはなしをお聞きしました!

動画再生

目次

“だんだん”と変容する学び方をサポートする株式会社dandanが生まれるきっかけ

三浦さん、本日はどうぞよろしくお願いします!それでは最初に自己紹介をお願いします。

みなさん初めまして、株式会社dandan代表の三浦豪です。

ちょうど半年前に株式会社dandanを立ち上げまして、長期発展的な組織と人の育成や運営に取り組んでいます。まさにdandan (段々)という社名の通り、人と組織は急には変われないので、段々とゆっくりと変わっていくしかないという想いをテーマに、人材育成や組織の変容を最低でも5〜10年、もしくはそれ以上の時間をかけて取り組んでいくための支援をしています。

自己紹介ありがとうございます!三浦さん個人のキャリアから、dandan社を起業するまでの経緯やきっかけについてもぜひお話しいただきたいです。

これまでの私自身の生き方が”段々”ではなかったという反省から、これからは”段々”と生きていこうと思い起業にいたりました(笑) 

それはこれまで生き急いでいたということですか?

そうとも言えるかもしれません。

なぜdandan社の設立に至ったのか、まず社会人になるまでのキャリア含めてお話ししたいと思います。

私は山形県山形市に生まれ育っているんですが、親戚に同じ場所で生まれ育ちながら海外の大学に進学して、そのまま海外で活躍している人がいたり、両親が会社経営をしていたりと田舎に住みながらも、東京や海外に行って広い世界を見たいという好奇心を強く持っていました。

山形県の高校を卒業したあと、アメリカの大学に進学し、戦略コンサルの世界に入り、その後はシンガポールに移住。ベンチャーへの投資と立ち上げを行う会社で、経営企画の仕事をしていました。そこに至るまでは、自分の好奇心に任せてテーマを明確に定めずに、その時々で面白いものに飛びついて環境をがらりと変えていくことを得意としていたように思います。

そのような中、前職の会社が超長期、20〜30年先を見据えて投資をし、産業のリーダーをゼロから育成することをテーマにしていたことがきっかけで、自分自身のこれまでの人生を振り返ってハッとしたんです。

実は小さく徐々に学習・成長するという取組みを軽視していて、その時々で楽しそうな環境に期待感を持ち、飛びついていただけなんだなということに気がつきました。その強みを活かしつつも、これからは敢えて長期的なスパンでなりたい姿に「徐々に」近づいていくという生き方を取り入れることが、自分の幸せにも必要なのではないかと感じることができたんです。

だから会社の名前も急に変わるのではなく、”段々”変わるという意味を込めて、株式会社dandanにしたというわけです。

僕たちの会社は”いろいろ”なので、少し似ていて面白いなと思いながらおはなしを聞き入っていました。dandan社で三浦さんはどんなチャレンジがしたいのでしょうか?

dandanの社名の通り、「“段々”変わっていくことに長期で取り組み続ける」をテーマにしており、長期持続的に組織や人が”徐々”に小さく変容していく生き方や学び方を促進していきたいと思っています。

具体的には、自分が成長したい、変わりたいと考えたときに、個人レベルだと大きく環境を変えようと転職をしたり、会社や組織だと大きなソリューションを導入したりと、満塁ホームランのような大掛かりな取り組みに期待したくなると思うのが人間の性質だと思うんですが、そういった中でも腰を据えて長期目線で小さく取り組めるような自己変容や組織変容のかたちを取り入れる必要性が、今後の不確実な時代では高まってくるのではないかと思っています。

人間も組織も、もともとは長期で豊かに生きようという部分があって、それをしようとすると、長年変わらない自分らしさやアイデンティティを深く理解することもとても重要です。深い構造理解をした上で、今後20〜30年どのように生きていきたいかの方向性を定めた上で、小さく取り組んでいく活動を促進していける存在になりたいなと思っています。

このようなミッションに付随する事業がいくつかあるという状況です。

日々小さく徐々に変容することで、スモールステップアップを実現する

ではせっかくなので今おはなしいただいた、付随している事業についてもぜひ教えてください。

環境変化の激しい時代における、長期発展的な組織や人の変容に特化した事業を3つのラインでおこなっています。

1つ目は「新しい知識の獲得」です。超長期的に、発展的に学んでいくことに対する概念自体を研修で提供しています。

2つ目は、更に踏み込んだ形で、人や組織の「中長期計画の言語化」ということでミッションやビジョン、コアバリューをデザインするワークショップを実施しています。

3つ目が、長期計画に基づき徐々に変容していくというテーマで「日々の行動変容の支援」もおこなっています。これは数ヶ月にわたり、継続して伴走支援をするイメージですね。単発の研修もあれば、2時間×5回などの集中ワークショップ、1週間で30分の面談を半年間続けるなど様々なかたちで”だんだん”変容をご支援しています。

気になることがどんどん出てきたので、質問させてください! 僕個人的には、変わるとなると劇的に変えようとするタイプなんですが、それが続かないことも多々ありまして…「何か変えるぞ!」「何か変えたい!」という思いがあったときに、とりあえずやってみて何か1個がフィットして変われるだろうという考え方で変化していこうというタイプなんですが、僕のこの考え方は三浦さんの考える、変化と近しい考え方なのでしょうか?

まず、人によって「どれだけ変わりたいか」という想いの強さが異なるような気がしています。

青木さんのケースは、大きく変化したい人が変容に向けていろいろ試してみて、うまくいけば変われるというお話だと思うのですが、実は「長期で何か変わりたい」となかなか思えない方がいたり、変えようとしてるけどなかなか変われなくて葛藤している、という方も多いのではないかと思います。私自身も含めて、日々の振る舞いを変えてみたいけどなかなか変わることができないという方が結構いらっしゃるような印象を受けています。

例えば、朝6時に起きようとしているけどなかなか起きれないとか、タバコを辞めたいのに辞められないという方がいるのと一緒です。いろいろ試してみたけど変われないというのが課題ですが、私たちが支援しているケースでいうと、大きく改善しすぎていることで逆に続かない原因を作ってしまっていることもあると思っています。急激なダイエットに取り組むことで、リバウンドをしてしまい「やっぱり変容できない」という苦手意識が強化されてしまうのと同じですね。

小さな自己変容という観点でいうと、小さく徐々に変えていくしかないという視点で、細かなスモールステップを切り出して、毎週支援することが重要だと思っています。長期で取り組むからこそ、日々の変化は大きくなくていいんです。

それよりもまず小さな変化を必ず成功させるというアプローチで取り組む方が、相対的にリバウンドをせずに変容に取り組んでいけるのではないかなと思っています。これがいきなり大きなステップを選択してしまうと、うまく変われる人は変われるけれど、変われない人は変われないままになってしまうんですね。

私達のご支援は、青木さんのようにたくさんいろいろと動いてみて、いいものを採用するというマインド自体を持てない人や、なかなかそこまで思い切って行動できない人に向けた処方箋なのかなとも思い始めています。

毎日ちょっとずつ変わると結果、長期的に見て変わっていることってありますよね。1%ずつ伸びていくイメージですよね。

おっしゃる通りですね!

6ヶ月支援させていただくケースの場合、毎月の生産性を10%改善していくことを半年間継続していくと、複利で6ヶ月後には当初の2倍くらいの生産性を実現できていることがあります。業務時間の抑制や生産性の向上も0.1%、1%でいいから小さく変えていく仕組みの導入が効果的だと思っています。

変えるとなると、大きな目標を立てたり、10%改善するのではなく50%を目指したりしてしまいがちなのかなと思うんですが、そういう感覚をまずは研修やワークショップで変えていくということなのでしょうか?

なかなか変えられない「苦手」な部分に大きなソリューションを導入してしまうこと自体難易度が高いので、小さくても良いので継続的に変わっていくという概念を入れていくことがまずひとつですね。

また、1年先のゴールは持っていても、5年や10年先に自分がどうなっていたいか、自分の部署がどうなっていたいかを頭に入れて仕事をすることが実は難しいということも最近発見したんです。長期のなりたい姿に向かって日々徐々に変わっていくという概念自体をインストールしていく取り組みもしていますし、個人、チーム、会社という視点で超長期の計画を立てるための問いを投げかけることもしています。

より長期的に小さく実践していくことで、小さく変わっていくからこそ、目指す時間軸は長期的にすることで、短期でコツコツ変えることと、長期視点で取り組むことを両立するためのサポートをしています。

両極に振りながら、考え方をインストールしていくというイメージなんですね。

まさに!

皆さんそれぞれがウェルビーイングを感じて幸せになりたいという願いを叶えることを最終的な目標として仕事をしていると思いますので、超長期で自分がどのように生きられたら幸せなのかという視点と接続することを意識的にやっています。また、未来を超長期で考えるからこそ、過去数十年の間に自分がどういったアイデンティティを築いてきたかを理解することも大切です。

例えば、自分が何者であるかということ自体を、スキルや仕事経験で語ることが多いと思うのですが、それはあくまでもキャリアの前後10年くらいで蓄積している自分らしさだと思います。でもそこに至るまでには、これまで生きてきた20年、30年積み重ねてきた長い意味での自分らしさが何かあるはずなんです。それを正しく理解できていないと、足元の仕事と、長期でどう生きたらいいかのウェルビーイングとの接続ができません。

あとは、逆説的にはなってしまいますが、超長期的なことは考えるんだけれど、結局は明日何ができるのかと小さく焦点を当てて行動するしかないというところがあります。超長期で考えることと、明日小さく何を取り組むかの両方に取り組むことが大切だと思っています。両極端に感じるアプローチかもしれないですね。

その振れ幅はとてもおもしろいですね。超長期的なものと超短期のものを接続するのがアイデンティティの深い理解だと思うんですが、これは具体的にいうと、僕はこういう思考のパターンがあるとか、こういう行動をするといった自分の活動を振り返って、これまでの自分を理解するということなんでしょうか?

そうですね。「自分はこういう人間なので、ついつい、こういう時間の使い方をしてしまう」というようなことですね。

例えば、営業マンが10人いて同じ商材を扱っていたとしても、その10人ひとりひとりの時間の使い方は全く違うのではないでしょうか。資料作りに入念に時間を使う人もいれば、片っ端から連絡を入れてどんどんアポイントを入れていく人もいるし、サボる人もいるとか。

同じスキルを持っていて、同じ目標を持っていたとしてもそれぞれ行動は違うということですね。なぜその違いが生み出されるかというと、それぞれの自分らしさや深いアイデンティティが大きな影響を与えているのではないかという仮説に立ち、それぞれの人がどのように時間を使っているかを可視化して、よりよい時間の使い方をみんなで考えてみようといった研修や伴走プログラムを提供しています。

10年前を振り返って、これから先10年のビジョンを具体的に思い描く

研修やワークショップでは具体的にどのようなことをしているのかぜひ教えてください。

最近では「VUCA時代の管理職研修〜激しい環境変化に対応し、学習し続けるチームをつくる〜」というテーマで研修を行いました。

この研修を受けていただいている会社さんのお話をすると、会社の社長が2代目に変わったばかりで、これから長期的に考えていかなければならない状況のなかでお声かけいただきました。まさに短期的にマネジメントをどうしていくか、組織を変えるかではなく、長期を見据えた上でどう変化に対応していくか、部下をどう育成していくか、長期的な論点のマネジメントに特化した研修を実施しました。

例えば、10年後のなりたい姿を考えるには、自分の10年前がどうだったかを考える必要があると思っています。

ワークショップや研修の最初にこのような問いを投げかけるとハッとされる方が多いですね。「10年前の今日って何をしていましたか?」「そこから今の自分は何か変わっていますか?」と問いかけて、それぞれ語ってもらいます。

その上で、10年間で人ってこんなに変化できるんだ、意外とここはまったく変わらないんだなどの発見をしてもらったあとに、改めて「10年後どう変わっていきたいですか?」という質問をして、10年後の具体的なイメージを持ってもらっています。

2032年にどうなりたいか、2032年になったときに2022年から2032年までの10年間をどう振り返りたいかを、個人と会社それぞれ考えてもらいます。そうすることで、「10年って意外と短いよね」「10年で取り組めることっていろいろあるんじゃない?」といった気づきを得ていただいています。

10年前を振り返ってみると、僕の場合はコンサル会社でキャリアを積んで、事業会社に移って生まれて初めて営業部門に所属したときですね。だいぶ大きいキャリアチェンジをしたのが僕にとっての10年前ですね。その間に何が変わったかを改めて考えてみると、たくさんのことが変わっている気がします。それが10年という長期の感覚をインストールするイメージなんですか?

そうですね。営業マンとしてこういうスキルが身についた、10年前は全然売れなかったけどこの10年でしっかりと結果を出せるようになってきたなど、ビジネスマンとしてこれができるようになって、こういう失敗をしたといった獲得したスキルや知識のことはスムーズに言語化できます。

でも価値観がどう変わったか、1日の時間の使い方がどう変わったかといった抽象度の高い質問は、実はまったく変わってないと思えることもあるし、大幅に変わったと思えることもあって、深堀りしてみるととても面白いんです。

こういったインストールを研修やワークショップなどの取り組みで行う場合は、経営陣が5名くらいいたらそれぞれが個人のことも会社のことも含めて10年を振り返るんですか?

そうですね。人によっては、10年前はキャリアチェンジしたばかりだったり、お子さんが生まれたばかりだったりと時間の流れや人としての幸せを振り返って、そのあとに会社や仕事について語り合っています。

「人によっては」とお話しいただきましたが、パッとでてくる方もいるでしょうし、あまり具体的なはなしがでてこない方もいると思うんですが、5人いる場でそういった差が生じる場合は、その部分を埋めていく作業をしていくんですか?

スムーズに言語化できる方がいる一方で、なかなか言葉がでてこない方も多いですね。その場合は、10年スパンから3年に縮めて考えてもらって、そこから5年前、10年前と遡っていくこともあります。

これからの10年はこうありたいと答えられるけど、過去10年は答えられないなど、人によって考えている時間軸とその範囲と方向は違います。

そういう場合、急に中長期について考えようと提案をしても響かないと思いますので、研修の場合は概念のインストールをメインにおこなって、そのあとに改めてミッションやビジョンを作っていきましょうという形でお手伝いをしています。

概念のインストールをしたあとに、きちんとインストールされているか、研修の狙いが反映されているかの手応えはどれくらいあるものなのでしょうか?

業界的には難しいテーマとされていて、「研修をやったことでどれくらいの効果が見込めるの?」と聞かれることも多々あります。

基本的には研修をやると、「参考になった」「よくわかりました」という声はいただきますが、実際に計画をしたり、議論をしたり、計画を立てたものに対していきなり大きく取り組んでしまいがちなのが人間の性質なので、研修を受けた次の日から、日々小さく変わっていこうと取り組むことは伴走なしでは極めて難しいと思っています。

語弊があるかもしれませんが、単発の研修だけだと、日々の変化まで結びつけることはほぼ不可能なのではないかなとも思っています。だからこそ、中長期の言語化やそのあとの行動支援とセットでサポートしており、研修だけで終わるケースはあまりなく、そのあとどう変わっていくかの支援で私たちのサービスの価値をより発揮できると思っています。

僕もコンサルティングをやってきた上で、語弊を恐れずにいうと、なかなか人は変わらないと思っています。2年コンサルティング支援をしていても、僕たちの方が変わっていく感覚の方が強くて、一緒に変わっていくことは難しいなと思うこともありました。1発ホームラン的な形で、何かが劇的に変わることはむつかしいと思っているので、徐々にじわっと変わっていくということは三浦さんの独特な考え方や感覚なのかなと思って質問させてもらいました。

青木さんのおっしゃる通り、そこが”段々”変容のミソでして、小さく変わっていくことにどう取り組むかが、私のやりたいことであり、重要なのではないかなと思っています。

実は、”dandan”という社名の他に、”じんわり”という候補もありました。「じんわり」ってとてもいいなって。他にはジョジョもありました(笑)

時間管理プログラム「タイムマネジメントあの手この手」の取り組みとは?

段々変わっていくような支援というのは、具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?

具体的な内容になるんですが、経営者とマネージャーに向けた生産性の管理プログラムで、日々何をしたのかを可視化する「タイムマネジメントあの手この手」というプロダクトがあります。

私たちのシステムを使い、各人のグーグルカレンダーに記載されている日々の行動内容をスプレッドシートに出力します。

それをベースにして、例えば、営業相手の面談に1週間のうちの15%を使った、部下からの質問に20%を使っていたなど、時間の分類をすべてスプレッドシートで可視化し、毎週振り返って小さな改善の準備をします。

先週はこれくらい無駄な時間を使ってしまったから、明日以降はどのように無駄をなくしていくかを日々伴走していきます。マネージャーやこれからマネージャーになる人に向けて1週間に1回の支援を重ねて、徐々に学習の型や習慣をつけていくイメージです。

僕も自分が仕事のことでもやもやしたときに、グーグルフォーム使ってたまにやります。何を何分やったかを記入していくと、記入できない時間がでてくるんですね。1週間くらいしか続けられないんですけど、こういう取り組みをするときに難しいのが、何にどれくらいの時間を使ったのかというログを残すことだと思います。それをグーグルカレンダーに記入していけば、その記録が残っていくということなんですか?

ボタンを押すとその1週間のグーグルカレンダーの予定の、タイトルと費やした時間が出てくるようになっています。自動で集計することもできるんですが、そんなに時間もかからないので手作業で分類を押していきます。

例えば、思考時間、営業時間、開発時間、その他、といった形ですね。この分類は人それぞれ違っていて、思考の時間が取れていない方であれば思考の時間をとれるような分類にして、意識していくとそれが積み重なっていくように作っています。

三浦さんがお一人で週に1回みなさんと面談をされているんですか?

そうですね。今は私がすべて面談をしています。1週間に30分くらいなんですが、その時間の可視化をしたあとに、いい時間の使い方に関してはどのように継続していくか、悪い時間の使い方はどのように削減していくかを面談をしながら、パーソナルトレーニングのように伴走をしています。

完全にパーソナルトレーニングですね。これは完全に変わり始めたなと思う瞬間はあるんですか?

毎日体重計に乗ると痩せるというのと同じで、数字を可視化したことで、私から何か問いを投げる前にご自身で様々な気づきを感じる方が多いです。

このサービスがなぜ経営者やマネージャーに集中しているかというと、管理職の方々はとにかく多種多様な業務を担当していて、その週にどの業務にどれくらいの時間を使ったのかを覚えていない方が多いからなんですね。

時間配分に認知的でないと、ただめちゃくちゃ忙しかったという感情だけが残っていくというのが一般的に起こってしまっていることだと思います。。習慣が変わっていくタイミングでは、数字をパッと見た時に自分の時間の使い方における認知が進んで、それをどのように変えていこうかと計画するようになります。そういった過程を見ると、変化が進んできたなと感じます。

“段々”変わっていく様子を待つということですね。

なかなか社内で”段々”変わることを見守るのは難しいので、代わりに弊社が啓蒙したい、という感じです。

現時点で何名くらいのサポートをされているんですか?

これからスタートする方も含めて、現在7名くらいですね。

経営陣やマネージャークラスからスタートして、そのあとにその方々の部下のサポートをしていく流れになるんですか?

そうですね。顕在化した課題が一番多いという観点から、経営者やマネージャーにフォーカスしているのもひとつの理由です。

さらに時間配分の可視化や改善をマネージャー自身ができるようになると、同じやり方を部下やチームメンバーにインストールすることで、組織としての時間の使い方をより有効に使うことができると考えています。

また、時間の使い方を管理すること自体が目的ではなく、時間の使い方を管理することで、日々自分が言い訳したくなっていること、他責にしていることが炙り出されていくことが多いので、自分自身の成長課題に気づき内省する習慣をつけるということが本質的な効用なのではないかと考えています。マネジメント力の強化や次世代リーダーの育成にも有効活用できると思って、実践しています。

見たくない現実が見えてきちゃいますよね(笑)

時間の分類ラベルの極意は、いきなり細かくラベリングをしないこと!

視聴者の方から、ご質問をいただきましたので、ご紹介したいと思います。「時間の分類ラベルをどうするかが認知に大きく影響するのではないかと思いました!このあたりの知見もアドバイスいただけるのでしょうか?」とのことです。

分類する作業も一緒に支援しています。

実は分類自体がとても難しくて、一発で決まるかというとそうではなくて、取り組みながら変わっていくことも多々あります。例えば、ある方が「思考の時間」という分類を作った場合に、「思考の時間は何をしていますか?」と聞いてみると、実は何もしていない時間だったという気づきがありました。なぜ思考をするかというと、何かをするためですよね。

例えば、営業の支度をするための思考時間、メンバーのマネジメントのための思考時間、自分自身の目標達成に対する思考時間など、なんとなく思考しているように思っていたけれど、本来は何か目的を持って思考しているよね、と気がついた方がいました。その気づきを基点に、現在は「思考」という時間を作らずに、「具体的に何のために思考しているんだっけ?」ということを思考するように取り組んでもらっています。

分類する上で、あまり意味のない分類をしていたとか、実はもっとよりよい分類の仕方があるのではないかと試行錯誤をしながら、分類の仕方自体を変えていくという営み自体にも、このプログラムで取り組めるようになっています。

ありがとうございます。分類の仕方に極意のようなものはあるのでしょうか?それとも会社によって変わっていくものなのでしょうか?

人によって変わっていくというのがまずひとつあります。最初にいきなり15の分類とかにしないというのが極意ですね。

1日の時間をそこまで細かく分類できないと思うので、最初は5つくらいにして、ミーティングかそれ以外で管理していくこともあります。では「このミーティングは何のためにしているんでしたっけ?」という問いを投げかけると、「実は3つの目標があって…」となっていくので、それだったら3つの分類にわけていきましょうという流れになります。これをいきなり行うと、食べた物の細かいカロリー計算と一緒で「こんなの無理だ」と挫折してしまう方が多いんですね。

だからあくまでも、”段々”取り組むということを分類作りでも意識してもらっています。

やっぱり極意も”段々”なんですね!いきなりハードルを上げると難しいですもんね。
分類自体は削っていくのを目的にしたラベリングと足していった方がいいよねといったプラスのラベリングの2種類があるような気がするんですが、どちらのケースが多いんですか?

これも人に依る部分ではありますが、みなさんお忙しい方々なので、いらない時間を削りましょうというアプローチの方が刺さりやすい気がしますね。最初はいらない時間を削りましょうというところからスタートして、徐々にもっとこの分類には時間を使った方がいいですねとなることもあります。

私と青木さんで考えると、私はどちらかというといらない時間を削るようなことが多いんですけど、青木さんはどちらかというと考える時間を取るためにその時間をカレンダーにブロックする文化があるんです。そうするとプラス方向とマイナス方向の目的が結構違うのではないかなと思いました。
今回「タイムマネジメントあの手この手」のおはなしをお聞きしながら、”段々”変容していくプログラムの具体例としておはなしをいただいたんですが、タイムマネジメント以外にも実施されている取り組みがあれば教えていただけますでしょうか?

入り口がタイムマネジメントになることが多いんですが、感情のマネジメントにも同じことが言えるのではないかなと思っています。

”段々変容”がどちらもテーマになるので、感情のコントロールなど、日々どのように小さく変容するかという点に関しては、タイムマネジメントに限らず取り組んでいきたいなと思っています。まず現在は根幹であるタイムマネジメントに集中して、そこから他のことに移行していきたいなと思っています。

いろいろなやり方がありますが、時間配分というわかりやすく可視化できるものに集中した方が振り返りがシャープになるのではないかと思って、今のところは注力しています。

今おはなしをお聞きしながら、自分自身でログを残して振り返ることまではするんですが、分類をしていなかったなと思いました。僕は何か考えるときには、人にじゃまされない時間を作ってそこで考えるようにしているんですが、その時間が長くなるとアウトプットをしていないこともあるので、時間を分類すると可視化できていいですね。そしてこの時間にどう思ったかまで振り返ることで、感情にもつながっていくということですね。三浦さんやdandan社のこれからのおはなしなどありましたら、お聞かせください。

引き続き”段々”というテーマで長期的に小さく取り組むことに集中したプロダクト作りをしています。

現在はLPを作っている段階ですが、その前にご要望を頂いてサービスをスタートしているという状況です。これからはサービスを正式にローンチしていきたいのと、タイムマネジメント以外のサービスや研修も数を増やしていきたいです。長期目線の人材育成や企業戦略にも興味があるので、引き続き取り組んでいきたいなと思います。

視聴者のみなさんともカジュアルに面談をさせてもらったり、お力になれることがあればお手伝いさせてもらえると嬉しいです。

本日はありがとうございました!

〜第5回目の「いろいろTV」を終えた青木の振り返り〜

「10年先を考えるため、10年前を振り返る」という思考の方法はとても興味深く、さっそく実践してみました。確かに10年前の自分を振り返ると変わったこと/変わらないなと感じること、それぞれがあり、10年後に変わっているかななどと考えることで、自分の思考や感情と向き合うきっかけを作れそうです。

また、研修は変容するためのきっかけ、変容するために「だんだん」と変わっていくことをメンタリングを通して、サポートするというdandan社の思想は、なかなか変えられないと思っている企業や組織にとっては、特に非常に効果的なアプローチになるのではと感じました。三浦さんは抽象度が高い表現をされますが、考えられていること/実行されていることは非常に具体的で、個人的にはそのギャップがとても興味深かったです。

企業情報:

テキスト

  • 会社名 : 株式会社テキスト
  • 本社 : 〒000-0000 テキスト県テキスト市 0-00-0 ビル0F
  • 公式サイト :  
  • 事業内容 :