【いろいろtv_#19】大人の社会科見学 面白屋?ワクワク屋?コウダプロ大解剖!

いろいろ社の「いろいろTV」はいろいろ社 社長の青木が気になる人に、いろいろなおはなしをお聞きするオンライン番組です。

第19回目は、ゲストに株式会社コウダプロ代表取締役の幸田八州雄さんをお迎えして、コウダプロの誕生秘話や商品開発についてなど、いろいろおはなしをお聞きしました!

株式会社コウダプロ 揚げ物革命事業部 事業部長の原口水月さんの記事はこちら → 【いろいろtv_#17】 冷めた唐揚げもおいしく食べたい!26歳の唐揚げマニアOLが進める揚げ物革命!

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目次

揚げ物革命事業部のあるコウダプロとは

幸田さん、はじめまして!よろしくお願いします!

よろしくお願いします!

最初に自己紹介をお願いします。

幸田八州雄と申しまして、福岡市でコウダプロという会社を営んでおります。もうすぐ創業から7年経ちます。

基本的には商品企画ですね。通販系の会社の黒子として、お客さまにとっては社外にある商品開発部として、商品づくりのお手伝いをするということをスタートに、最近では弊社原口が事業部長を務める唐揚げ用包装紙「カラッとペーパー」や、二日酔い対策サプリメント「アスガール」など、自社製品の開発もしています。

僕個人のことをお伝えすると、福岡県出身です。

僕は数え切れないくらい職を転々としてまして、いろんなことをしていたらここにたどり着いた、 という感じで頑張ってます。

画像をクリックして、株式会社コウダプロのHPをチェック!
コウダプロさんのホームページ、おもしろいですよね!部署の名前も一般的ではないですが、わかりやすくて、大好きです!このようなユニークな会社を立ち上げられた背景が気になります!いろいろされてきた、とのことで、そこは非常に興味があるのですが、コウダプロを起業される前はどういったお仕事をされてきたのですか?

コウダプロの前は、同業の商売を東京でやっていました。

オーナーは別にいる、いわゆる雇われ社長として会社の代表をやっておりました。あるあるなんですが、当時は僕の力がなかったものですから、オーナーのお眼鏡にかなわなくなり、わかりやすく言うと失脚して、他に術がないので起業、という流れですね(苦笑)

いきなり想像以上のお話が来て、ビックリしてます!(笑)差し支えない範囲で、それ以前のお話などもお聞きしたいです。

その前はですね、通信販売の会社です。健康食品を売る会社に勤めていました。

その前は、残念ながら会社がなくなってしまいましたが、フランチャイズ支援のベンチャー・リンクという会社にいました。

さらにその前は保険を売っていて、その前は雑貨屋で売り子をしていて、その前は百貨店のルート営業ですね。20数年前ですかね…

もともと営業畑だったんですね。ご出身などもお聞きしてもよろしいですか?

北九州の芦屋町出身で、八幡中央高校を卒業し、福岡大学に進みました。

その後は東京と福岡を転職のたびに行ったり来たりし、コウダプロは福岡で立ち上げました。

コウダプロを立ち上げられた時、何をしていこう、というのはあったのでしょうか?

自分にできるのは商品の開発だな、と思っていたので、商品の開発からスタートしました。いろんな会社の役に立てれば食べていけるかな〜というところからですね。

僕らと似ているところがあります。僕も前職をやめた後にしばらくニートをしてまして。家族がいるので生活をしないと、と思って、なにかやろうと作ったのが今のいろいろ株式会社です。
相談をもらったところからスタートしたため、スタートアップ等の企業の資金調達などの支援をしていました。その中で、ご相談をいただくことの多かった資金調達を目指す企業は、事業を作り上げていくフェーズであることが多く、事業開発の支援に範囲を拡げ、お客さまの状況に合わせてハンズオンで支援させていただくという形態で4年ほどやってきました。
お客さまからのご要望に合わせて、僕たちもやれることを増やしていくという感じで、いろいろできるようになってきています。
なので、幸田さんのお話をお聞きして、すごく親近感を感じました。最初はお客さまのご要望で商品開発から始めた、ということですよね。

物好きといえばそれまでですし、図に乗るわけではないのですが、人とはちょっと違う角度から発想できるところが、僕および弊社の商品価値かなと思っています。創業当時は特に、「次のヒット商品を作りたいなら、ぜひうちにお声掛けください!」とお声掛けしていましたね。

コウダプロの商品開発

アイデアと戦略が大事というメッセージをコーポレートサイトで拝見したのですが、どういった商品開発の支援をされているのでしょうか?

当社のポリシーとして、僕たちが価値を発揮できるならビジネスに入らせてください、というスタンスを大切にしています。

例えば、お客さまの方で、こういう商品を作りたいんだ、こういう配合でこういう内容で作りたいんだ、というのが決まっている場合ですと、僕たちのアイデアや企画力が入り込む余地がないんです。

もちろん、当社としては売上が欲しいのですが、それでも「お客さま、当社は工場ではないので、そこまで企画が仕上がっているのであれば、その企画書を持って工場に直接行ったほうが安くなりますよ。」と伝えてしまうこともあります。

じゃあ、僕たちが価値を発揮できるところはどこかというと、商品力の根源とは何かと考えたときに、僕たちのクライアントは販売者さまですが、その向こうにはエンドユーザーがいるわけです。エンドユーザーがこの商材を欲しがる根源的な理由は何なのか、ひたすら問い続けて、そこを尖らせます。世の中の常として、「良いものを作りましたよ!」といっても売れるとは限りません。そのため、尖らせた根源的な価値に対して、エンドユーザーが「それなら一回使ってみたい」と思われるような味付けまで含めて提案するよう、心がけています。

いろいろ株式会社はものを作るという経験がないのですが、何かを作りたい、というときにコウダプロさんに相談に行くという感じですか?

そもそもお付き合いのある会社さんがもう一品なにか、これに合わせた商品がほしい、もう一つ強い商品がほしいんだ、とご相談いただいてからご提案することが多いですね。

青木さんから「商品作りたいんですけど…」という相談を受けた場合、僕の第一声は「ちなみになんで作りたいんですか?」ですね。

こんなのできます、あんなのできます、ではないですね。

「なぜ作りたいか」という気持ちをお聞きしていないと、本当のお客さま満足には行き着けないと思っていますので、そこから始まりますね。

なぜ作りたいかと問われると、今は明確な答えは無いですね(笑)
先ほど、もう一品というお話でしたが、そういった時にはどうやってもう一つの商品を企画していくものですか?

あるクライアントから相談を受けた場合、今の柱の商品に何かを合わせたいのか、クロスセリングと言いますね。それか、別の柱を立てたいのか、で話が変わります。クロスの場合は話が早いですね。今のお客さまにとって親和性の高い商品はこうではないでしょうかと。

そうではなく、新しい柱を、というケースはちょっと仕掛けが必要になりますね。

その場合は、お客さまの目指しているものとマッチしているものや、エンドユーザーに何を約束してきたかに違えないでできる商品をご提案するように心がけています。

僕らも事業開発支援で提案をすることなどは結構ありまして、商品開発の提案の場合は、プレゼンでの一発勝負が多いですか?それとも、ディスカッションを重ねながら、というほうが多いのですか?

実は当社のスタンスとして、基本的にはコンペは受けないようにしています。

一発勝負で企画書をドンと出して通るか通らないか、というスタイルのビジネスはあまりやらないですね。理由は「誰もハッピーにならないから」です(笑)

大企業さんはそういうスタイルが多いですけどね。

そうですよね。提案してもらうための仕様書や要件書があったりして、時代にそぐわなくなっている気もします。

そうですよね。時代が変わってきてますよね。

アイデアの生み出し方と製品開発秘話

クロスセリングにしても新しい柱にしてもアイデアが必要だと思いますが、アイデアをどのように出していかれるのか興味があります!

主に商品開発は2筋あると思っています。

一つは、論理的に商品開発をするパターンですね。

例えば、青汁のマーケットがあります。青汁は美味しくないです。だからフルーツ青汁を出したら刺さるんじゃないか、今のマーケットと競合品を見て、こういう要素を足すと競合に勝てるんじゃないか、という相対的な強さを追求して出していく、というパターンですね。

もう一つは、僕たちがやっている商品開発はもうちょっと文学的です。

なぜ消費者は青汁を飲んでいるんだ?本当に満足しているのか?青汁を飲んでいるからって健康が劇的に改善すると思って飲んでいるのか?そう思っていないなら、なんで飲んでいるのか?といった文学的な解析をしたときに、こういうニュアンスからするとこういう商品が望まれているんじゃないかという仮説ができ、それをこねて、ご提案すると。

僕たちの商品開発は意味の深堀りですね。論理的相対性に基づく商品の強さではなく、エンドユーザーのインサイトをひたすら深掘って解析してこういうものが求められるんじゃないかというのを作っていく感じです。

なかなか難易度が高いお仕事ですね。僕はコンサルティングの会社にいたこともあり、前者のような事業開発の仕方を多く見ているのですが、後者のようなアプローチは消費者に聞けば情報が出てくるかといえば、そういうことでもないですし、「意味の深堀り」という表現になるほどなと思いました。

これはですね、変態じゃないとできないですね(笑)

弊社は『アスガール』や『カラッとペーパー』など、いくつか自社製品を展開していますが、あれは何かというと、我々の仮説を世に問うたときにちゃんと世の中に刺さるよ、というのを実証したくてやっている側面があります。

なるほど。『カラッとペーパー』は原口さんの唐揚げ愛から始まったとお聞きしていますが、『アスガール』はどういう経緯で販売されたんですか?

公に申し上げていい部分だけでお話します(笑)

私が東京で会社の代表をしていた時のことですが、代表って接待が多いものなんですよね。

ある時、土日も休み無しの10連続接待という時がありまして、、、接待って2日3日なら楽しいんですよ。お酒飲んで、仲のいいクライアントと肩でも組んで、カラオケやって。でも、4日目、5日目、6日目くらいになってくると、命を削ってお酒を飲んでいるな、というのを実感しだすんですよね。そして10日目に、ついに布団から起き上がれなくなっちゃったんですよね。

これは、世の中にとっていいことがないぞと。これは作るしか無いぞと。様々な研究結果や文献を参考にしながら、他社さまの特許に気をつけながら調合しました。

調合には3年半かかりましたね。原料によっては日本になくて、アメリカから取り寄せたり。小瓶で来た原料をコンビニのアイスのスプーンみたいなものでちょびちょび混ぜて、自分の飲み会に持っていっては具合を試す、という作業を3年半やりました。そして、「これだ!」と確信を持てるようになったのがこの『アスガール』です。

『カラッとペーパー』もですが、自分たちで作っていくんですね!

当社のホームページで「コウダプロ憲法」というのを公開しているのですが、その中にですね、「4ゲ主義」というものがあります。「現地」「現物」「原点」「ゲリラ」の4つを大事に仕事をしなくちゃいけない、というものです。

これはその「ゲリラ」主義の一環です。自分たちで食べて試して、やるときはゲリラ戦で正規軍を後ろから襲うっていうね(笑)。そういう発想で事業を進めております。

幸田さん、調合などの経験があるわけではないですよね?

化粧品の方は多少やってましたし、サプリメントについても経験はありましたが、ここまで自分で調合というのは始めてでした。

忘年会の時期ですので、もしよければ宣伝なども。『アスガール』を飲むと翌日の体調は違いますか?

これは断言できますね。詳しくは言えませんが…。

これ、絶対言っちゃダメな言葉ですからね。世界で1番効くとかって、絶対言っちゃいけない言葉ですからね!っていうことですね(笑)

世界で1番とか言っちゃいけない、ということを僕は今言いました(笑)

それから、お酒を飲む前に飲んで頂く方も多いのですが、翌日に「あれ、やばい感じになっちゃったな」というときもあると思うんです。そういうときは、スポーツドリンクなどに『アスガール』を2包くらい溶かしてお飲みいただくと良いと思います。朝8時くらいに飲んでいただくと、昼の13時くらいにはカレーライスやちゃんぽんを食べられます(笑)

後から飲んでというのは良いですね。今年はありがたいことに忘年会へのお誘いが多いんです。ひさびさということもあり、後で応えたりしています(苦笑)

アフター摂取も良いと思います。

でも、もちろんメチャクチャお酒を飲んだら、、、二日酔いになるときはなります!

amazonのレビューなんかでも、「効かなかった」「二日酔いになった」という声もあります。テキーラをショットで10杯とか、そういうケースもあるようです。そういった場合は、、、とは思いつつも、その方の感じ方が全てですから、謙虚に受け止めて開発に活かさせていただいております。

『アスガール』はどこで買えるのでしょうか?

amazon、楽天、あとは地場の薬局さまなどにあります。原口君から青木さんに『アスガール』を発送しますので、ぜひお試しください(笑)

コウダプロの事業創造について

ここから、他の事業のお話もお聞きできればと。たくさん事業部がありますが、自治体四季報やしあわせ食卓事業部など、名前を聞くだけでなんだろうと思う事業部ばかりです。これらはそれぞれどういった経緯で始められたんですか?

身も蓋もない言い方をすると…思いつきです(笑)

ただ一応自分なりに基準があります。例えば、これがいいじゃないかという直感が来ましたというのは世の中あるあるだと思うんですが、僕は商品開発を生業にしていますので、直感に論理の物差しを当てるんですね。これはいいぞと思ったものに、論理の物差しを当てて、これを作ったら、論理的に考えて普通に勝つしかない状態だ、と思ったら手を出す、というのが僕の中の基準ですね。

コウダプロさんの事業は「やりたい!」という方が始めた事業なのですか?

『カラッとペーパー』は原口のライフワークだったので、そこに自分の物差しを当てて、これならいけそうだなということで、やってみなさい、としたものですね。

それ以外は僕の中にあったものです。これから社員発案のものが増えてくると良いなと思いますね。

幸田さんの中にあったものということですが、アイデアを温め続けられているものをということなのですか?

盛った話だと思って聞いてほしいのですが、僕はコンビニエンスストアに20分くらいいるとこれなら絶対売れるじゃん、というアイデアが1つは思いつくんです。

例えば、なぜコンビニのおにぎりには、マスヤのおにぎりせんべい味の焼きおにぎりがないんだろう?とか。だってみんな、おにぎりせんべいを食べて育ってきたじゃないですか。

あのハッピーターンの粉が売れるんですよ?だったら、おにぎりせんべいのあの醤油も売れるでしょうよ。「おにぎりせんべい味のおにぎりやん!」って言ったら絶対バズるに決まっているんですよ、そんなもん。

一度コンビニに行ったら1つは思いつくので、ストックして行列させるのが大変なんです。

幸田 八州雄の脳内

そういう思考に気付かれたのはいつなのでしょうか?

ベンチャー・リンクで働いていたときに、社内の研修の合間に頭の体操みたいなものがあって、研修担当者さんが普通のグラスを出して、これから1分間でこのグラスの使いみちをいくつ書けるかやってみてください!というのがあったんですね。

僕はそこで「手榴弾」とか「カッターナイフの代わり」とかいろいろ書いてたんです。300人の社員のなかで、玉入れの結果発表みたいな感じで、1個の人、5個の人ってやっていったんですよね。アイデアを出せた数で勝負する感じで。

そしたら300人の中で最後の2人まで残っちゃって。300人の中には東大卒とかの頭のいい人もいっぱいいたわけです。でも残れたんですね。

ただ、1つ差で2番目だったので、あ〜やっぱり上には上がいるな〜と思ってたんですが、1番だった人の回答を聞くと、「叩く」「突く」「蒸す」「転がす」とかで、ただの動詞だったんです。動詞が23個かかれていただけ。僕は使い方を22個書いていたんですよ。その時に、この300人の中で発想力ということだけで言えば僕が実質1番じゃんと。

それが気づいたきっかけですかね。

学生の時から面白いことを考えるのが好きだった、とかそういう原体験はあるんですか?

僕の父親が自衛隊で、通っていた小学校は、とある組合が力を持っているような学校でした。なので、家と学校とで言われることが180度違うんですよね。そんな環境でしたから、子どもなりにどっちかが違うんだろうな、と考える素地はありましたね。

商品企画として、思いついてからそれを形にするまでをお仕事にされていらっしゃると思うのですが、それは仕事という感覚はあるのですか?

ぶっちゃけて言うと、好きこそものの上手なれというか、そういうことを考えているときが1番幸せですね。仕事が楽しくて仕方ないんですよね。ありがたいことに。

プライベートでも、思いつくことって結構あるものですか?例えば、旅行中とか。

一番きっかけになるのは、不便さを感じるときですね。

例えば、JRの特急に乗る時とか。

交通系ICってあるじゃないですか。交通系ICって、コンビニでも使えるのに、なぜか電車内で切符を買うときに使えない。交通系の会社が発行しているのにも関わらずですよ。システム的な要因はあるのかもしれませんが、それを回避して車内で電子マネーが使える方法ってないのだろうか、とか考えてしまいますね。

不便だと思っていても増客につながらないからやらないんだろうなぁとか。そういうことを常日頃から考えていますね。

幸田さんがいろいろなところに行って話す、というだけで改善されるサービスって多そうですね。

すべての夢がついえて、夫婦でスナックでもやろうか、となったら、そこで内省思考コンサル的なことをやりたいですね。

今でも需要があると思います!ちなみに考えることが嫌になることってあるんですか?

疲れることもあります。そういう時は漫画喫茶に行って、8時間くらいダラダラダラダラします(笑)昔はよくやってました。

オンオフというか、振り子みたいなもので、生産性ゼロってとこまで振り切ると元気が返ってきたりしますね。

アイデアを思いついた時ってどうされてますか?ノートに書き溜めたりされるんですか?

僕はiPhoneなのでiPhoneのデフォルトのメモ機能ですね。ビジネスアイデアっていう名前で百何十個は常に持ってますね。

なるほど。メモを読めば、何のことか思い出せるものなんですか?

さすがのご指摘です。

実は、後から読んでなんのことかさっぱりわからないこともあるんですよね(笑)

「便所の三角形革新的洗浄能力」って、どういう意味だよ〜?全くわかんねぇよ〜!みたいな(笑)

それで思い出さなければ、その程度のネタだったのだろうなと諦めてます(笑)

僕、散歩をしている時、いろいろ思いついたり、考えたりできるのですが、戻ってメモしようと思うと、5つ思いついても3つくらいは記憶から消えちゃうんです。メモ帳にメモして、思い出せなかったら諦めるということですね。

発酵室というか…その忘却の波に揉まれても、生き残っていたものが歴史に刻まれる的な(笑)

失敗談は拷問されても話さない。でも…?

時間が経つのが早いですね。もうあっという間に1時間近く経ってしまいました。質問っていただいているんでしたっけ?
そうですね、商品開発の失敗談を聞きたいという視聴者の声が届いています。

実は弊社のヒット屋という商品開発部門では、クライアントにまつわることは拷問されても喋りません、と公言しているので、話せないんですよね。強い拷問されたら喋ってしまうかもしれません、ごめんなさいとは思っていますが。

なのでコウダプロになってから、というのは言えませんし。それに、商品開発については高い倫理観を持ちたいと考えているんです。クラアントの社運をかけていることもありますし、人の命がかかっていることもあるから、医者が手術の失敗談を語るようなものですね。

代わりといってはなんですが、僕の話をしますね。

新商品を見かけたときに、これは流行る!こんなもん流行るか!と自分の中で評価していたりしているんですよね。

山崎製パンのランチパックが、数年前に剛力彩芽さんを起用して強力なプロモーションをしたときがあったんですよね。当時の僕は、ランチパックなんかこれで売れるわけねぇじゃん!と公言していたんですよ。売れたら逆立ちだ!って。そしたら、その年のヒット商品番付の西の横綱がランチパックでした、ということがありました(笑)。

見立てと違うこともあるわけじゃないですか。違った場合はどういう思考になるんですか?

ランチパックがなんでこちらの意図に反してヒットしたのかを解析したんですが、僕なりの結論が出ました。僕たちは通販系のビジネスをしていることが多いのですが、通販系には自然派、ノンシリコン、オーガニックというムーブメントがあるわけです。

僕らは、常にそれをやっているので、女性の意識の中心はそこにあると思ってしまっていたわけです。でも冷静に考えれば、資生堂さんをはじめとした大手さんが80〜90%を占める市場なわけです。残りの10〜20%をこだわりの通販商材が獲得しているわけです。

僕はこの10〜20%を一般の女性像だと勘違いしてしまったわけですね。ニッチを主流と思ってしまったというバイアスがかかっていたということですね。だから、僕のなかのAIというか、それを修正していきましたね。

なるほど。そういった思考は日常的にされているんですね。

気持ち悪い話なのですが、昨日、一家4人でハンバーガーショップでハンバーガーを食べていて、このネーミングだとハンバーガーの商品価値が伝わらないとか家族で言い合っていたんですよ。

バターの味をアピりたいのにバターを名前に入れないと伝わらない、とか言ってるんですよね。気持ち悪くてすみません(笑)

日常からそういう生活だと、幸田さんのAIは教師データがいっぱいですね!
そして、時間になってしまいましたので、コウダプロの今後を教えてください!

『アスガール』を含め、自社製品が当たったときに、世界が見えてくるんじゃないかと思っています。そういう邪なことを考えながら日々頑張っていきます!

〜第19回目の「いろいろTV」を終えた青木の振り返り〜

2022年最後の『いろいろTV』、第19回目の放送、僕自身とても興味があったユニークな活動をされているコウダプロさんについて、幸田さんとは初対面だったのですが、対話ができてとても楽しい時間でした。

「商品開発は意味の深堀り」「文学的な解析」「論理的相対性に基づく商品の強さではなく」「コウダプロ憲法」「4ゲ主義」「直感に論理の物差しを当てる」、、、幸田さんの表現はとてもユニークで、良い意味で普通ではないのですが、僕にとってはすっと入ってくる、ああなるほどという話をお聞きでき、思考と表現を言葉にする力を磨こうと思えた時間でした。