【いろいろtv_#24】県庁のおしごと「佐賀にしかない機会を」、産業DXとスタートアップ

いろいろ社の「いろいろTV」はいろいろ株式会社の代表の青木が気になる人に、いろいろなおはなしをお聞きするオンライン番組です。

第24回目は、ゲストに佐賀県庁産業DX・スタートアップ総括監の北村和人さんをお迎えして、県庁でのお仕事や佐賀県で事業を行う優位性など、いろいろおはなしをお聞きしました!

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目次

そのモヤモヤを明日のワクワクに

北村さん、よろしくお願いします!

よろしくお願いします。

さっきちょっと会社の概要のところを聞いてて気になったんですけど、オジふぉとってニーズあります?(笑)すげぇな、これ(笑)

ニーズがあるかないかで言うと…わからないです(笑)面白いことを思いついたらすぐやってみよう、というのがいろいろ株式会社のノリでして。いろいろらいんというサービスが、LINE公式アカウントでフォトコンテストとかもできますよ、というものなので、それをやってみよう、みたいなことですね。

青木さん的には、オジさんがハブられる世の中にモヤモヤがあって、とかそんな感じですか?

いや、そんな高尚な想いはないです!(笑)

ははは(笑)

じゃあ、一旦スライド出して自己紹介しましょうかね。

はい、お願いします!

ウチの部署、結構、他県から視察とかいろいろとお越しになるんです。その時に視察にお越しの皆さんから、よく「北村さんは民間出身の人ですよね?」と言われるのですが、最初っから役所の人です。ただ、いろいろな部局には行きました。医療も教育も税もいろいろな分野をやりましたが、この10年くらいは産業のことをやっています。ご紹介いただいたように現在はスタートアップやDXについてやっている人間です。その一方、自分自身は経済学を足場にしていて、経済学の延長線上で流行りのデータサイエンスなんかもやっています。たまたま時代がこのような流れになってきたので、ラッキーだったな、と思っている、そんな人生です。

次に現在の所属部署の話です。 皆さんに質問です。産業DX・スタートアップ推進グループってどんなところか想像つきますか?

まぁまぁ、名前の通りといえば名前の通りなんですが、よくわかりづらいと言われるんですよね。 だから、最近はこんなことを言ってます。

青木さんどうですか?最近ワクワクしてますか?

僕ですね…性格上、毎日楽しく過ごしてます。

さすが…(笑)。オジふぉとにワクワクしてるとか(笑)

そういう青木さんに聞いちゃうと流れが違っちゃうんですが、多くの方は、いや〜そんなワクワクすることなんて無いよって言うんですよ。

じゃあ、ってことでこんなこと聞くんですよ。

モヤモヤはありますか?って。さっきの話ともつながるんですよね。

これ聞くと、モヤモヤしている人って多いんですよね。

それで、ウチって、こういうとこです。

モヤモヤしていることを、明日のワクワクにしましょうよ、っていうのを一つの裏テーマにしているセクションです。それだけ聞くと、なんかいいところに思えますけど、そんないいところではないんですけどね(笑)

真面目な話をすると、スタートアップとかだといわゆるMVVってありますよね。ミッション、ビジョン、バリュー。それでまとめるとこんな感じです。

ミッションは「テクノロジーとビジネスの未来をデザインする。」という、結構かっこいい言葉を10年前くらいから使っています。

大事なのはバリューの部分で、DXやスタートアップと言うと、だいたい都会なんですよ。ついついその真似をしたくなるのが、自治体の横並び心理です。

でも私は元々天邪鬼な性格なので、あいつらと同じことするのって嫌だよね、っていう人なんです。なので、彼らがやっていることと同じことは絶対にやらない。違うやり方をしようぜ!というのが、「“規模のハンディ”を“つながり”で乗り越える」という部分です。

企業や起業家の人数では都会になんて到底敵わないけれど、数が少ない分、人と人、企業と企業とのつながりは濃いですから、それを活かしたアプローチを大切にしています。

そのうえで、DXのゴールは「デジタルを佐賀のビジネスの常識へ」していくこと、スタートアップのゴールは「佐賀から世界を目指せる起業環境を」作ることを掲げています。最初にこういうことを言い出したときは結構恥ずかしかったのですが、最近、にぎやかになってきたので、近づいてきたな、というのが肌感覚ですね。

部署の成り立ち

10年前にこういうことを言いだしたとのことでしたが、どういう経緯でこういうミッションを掲げる取り組みが始まったんですか?

これはですね…キレイな話とおもしろいけど生々しい話と両方あるんですけどどっち聞きます?

えーっと(笑)じゃあ、みなさんも聞きたいと思うので、キレイな話ちょっとと、後者の話と、両方お願いします。

キレイな話で言うと、元々、新産業・基礎科学課という部署があって、新産業創出など、いろいろなことをやっていました。

その部署で、スタートアップ・経営革新支援担当という係として、今やっていることのミニ版みたいなことをやってました。

3年くらい経つと時代の流れとちょうど合って、産業企画課にAI/IOT推進・創業支援担当というのができ、部署が産業政策課に移り、3年前にDX・スタートアップ推進室になりました。

役所としては珍しいのですが、仕事の足場はその分野に置きながら、世の中の流れに合わせて組織が2〜3年おきに変わっていってるという部署です。部長からは「ここは3ヶ月前とは言ってること、やっていることが変わる目まぐるしい部署だから!」とよく言われます。まずキレイな話です(笑)

次におもしろくて生々しい話ですが、他の自治体もそうだと思いますが、スタートアップもデジタルも、「わけわからない!」と思っている役人は多いんです。。。「そういった類のことは、やりそうな人がいる部署にまとめとこう!」という風土があり、、、それが新産・業基礎科学課のスタートアップ・経営革新支援担当等の部署でした。

わけわからない人にはわけわからんことをやらせておこうという、掃き溜めみたいな場所になっちゃっている気もしますね。

青木さんはそういうことをやっているからお分かりかもしれませんが、DXとスタートアップって全然違う話じゃないですか。

スタートアップのターゲットは起業家だし、デジタルはどちらかというと既存事業を変えていきたいという企業関係者です。でも、うちの役所ではこういうのは「同じもんだ」と思われているらしいんですよね。

なんでこの2つを一緒にするんだろうって思いました。やることが違うし目的も違うと思う反面、概念的には進め方やアクション、考え方は近いなとは思いますので、この2つを一緒にされている背景はなんだろうと思ってたんですよね。

よその自治体さんは別の部署で担当していることが多いです。「国の骨太の方針のうちの2つを担当するにはさすがに多勢に無勢じゃね?」と(県庁内で人事や組織を所管する部署に)言うために調べたことがありまして、この2つを一つの部署で担当している自治体は4都道府県しかなかったです。

ただ、成り立ちとしては他の都道府県も一緒で、でも、よそではデジタルをやりたい人とスタートアップをやりたい人がたまたま別だったりして、さっきの掃き溜め論理は一緒みたいです(笑)

「支援」と「機会の提供」の違い

新産業とか、そういう、県に新しい産業を作ろうというのは県庁のお仕事の一つなんですか?

ずっと昔からあります。ターゲティング産業というのを定め、振興するというのは産業政策の一般的な方法の一つです。佐賀でいえば唐津のコスメティック産業、長野であれば精密機械だったり、浜松ですとバイクとか自動車ですね。

ターゲティング産業を決めて、産み出したり振興したりというやり方はセオリーです。

でも、じゃあ、産業クラスター政策で成功したことがどれほどあるのか。あんまりない、、、では、なんで成功しないのか。

当たり前ですよね、、、役人の知恵で、この産業が来るだろう、って考えたても当たらないんですよ。

だから、今の部署はデジタルもスタートアップも、最初から「どの産業をターゲットにする」とは決めていません。どのような事業ドメインでもいいので、「新しいビジネスで世界を目指します!」っていう人がいたら、その人にビジネスチャンスを提供し、その人がそのビジネスを伸ばしていく。なので役所が「支援する」という言い方は好きではなくて、私たちとしては「機会を提供する」と言ってます。

支援という言葉が好きじゃないというのは北村さんらしいですね。僕らも「ハンズオン支援」とか、「支援」という言い方をしますが、支援っておこがましいという感覚があります。だから僕らは一緒にやるという感覚に近いですね。支援というと、なんだか上からな感じがしてどうかなと思って。こういう言葉に姿勢があらわれたりするので。

そういう部分もあると思いますし、上下関係だけではなく、私が「機会を提供する」と言いたいのは、ビジネス振興だからなんです。つまり、事業が成功するかどうかは本人次第ですから。

どれだけ周りが支援したって、自分のビジネスとして当事者意識を持って結果にコミットしてないと、うまくいかないんです。「支援」って言うと、なんでもやってくれるって思っちゃう人もいて、「こんなに良いもの作ったんだから、これ、役所で売ってくださいよ」って言われちゃうこともあって…これ、実際にある話なんです。それは支援じゃない。もし売れたとしても、あなたのビジネスとしてはどうですか?それは後に続きますか?という想いもあります。なので、チャンスは提供する、それを活かすかどうかはあなた次第。そういう関係性って大事だと思ってます。

デジタルとスタートアップそれぞれの成果

これまで取り組まれてきたことの成果の側面についてもお聞きしたいです!

はい、デジタルとスタートアップでそれぞれご紹介します。

まずはデジタルです。真ん中が「ITでビジネスの変革・創出に挑む企業」です。要するにクライアントです。それに対して上は企業の取り組みを支援する取り組み、下はその担い手を育てる取り組み。2018年に産業スマート化センターというのを設立しまして、そこをハブに個別相談やマッチングを行っています。また、「Smart Samurai」や「Smart Ninja」として毎年100名ずつ人材育成をしています。佐賀県は県民のみなさんが熱心で、応募が多いんです。

それから、DXコミュニケータやアクセラレータ。こちらは、企業を訪問してDXの押し売り(笑)みたいなことをやったり、「やるぞ!」という企業を数か月、伴走支援しています。

セオリーである「紙をデジタル化します」というようなことから、「IoTで工場のデータを取る」とか、「スマートファクトリー」とか、いろいろな事例が出てきました。

産業スマート化センターのサイトには事例コラムとしてたくさん掲載しています。

スマート化センターの利用者は年間延べ3,800人程度です。最初が1,500人ぐらいだったので、今では倍以上、その一つはコロナの影響です。利用者数が増えてもしっかり対応してくれてて、運営を受託しているEMM、佐賀銀行、佐賀電算センターの皆さんには本当に感謝です。

スタートアップの方では「都会の真似事ではなく、佐賀だからできること」にこだわってて、このような取り組みをしています。

掘り起こし、育成、資金調達、事業拡大と並べてますが、それぞれの段階で個別指導をやってるのがポイントの1つ目です。いわゆるアクセラレーションプログラム。こんなに多段階で複数のアクセラレーションプログラムを走らせている自治体は少ないと思います。佐賀県は大きなイベントや様々な補助金を出すのではなく、そのかわりに、それぞれの起業家のビジネスを育てるハンズオンにリソースを割いています。

2つ目のポイントはリアルタイムのやりとりです。採択された人たちとメッセンジャーやSlackでつながるのですが、夜間や土日を含めて、バンバン連絡がきます。これを福岡や東京でしてしまうと収拾つかないと思います。ただ、佐賀県のサイズだとなんとかなる。だったらやった方が良いよね、と。私たちが打ち手を講じた分に対して、ダイレクトに反応が返ってくるんです。多くの自治体は、そうしたフィードバックを年度毎の予算の時期にやっていると思いますが、うちではそれを「毎日」やっているようなものなので、施策の確度や熟度を上げることができます。

最後に3つ目のポイントは、起業家からは必ずしも喜ばれないとは思うんですが、「補助金を簡単に出さない」ということです。補助金を出す場合でも、「ふるさと納税を活用できるチャンスを提供するので、自分で集めてください」といった感じだったり、「佐賀県版マネーの虎」といって、20社ぐらいで競って3社だけに補助をする、そのために私だけでなくVCとかアクセラレータがシビアに見極めを行う、などをやってます。また、実際に事業が進み始めた以降は、県が協定を結んでいるファンドレイザーの支援を得て、クラウドファウンディングやVC、デッドでの調達などにつなげるようにしていて、調達できた場合は調達を助けてくれたファンドレイザーに成功報酬を提供します。補助金を出すのは簡単なんですが、そのようなやり方をすることで補助金に依存し、ビジネスが腐ってしまう懸念もあるので、将来的に民間からちゃんとお金を調達できる起業家を育てたい、というのがねらいです。

これらの結果として、最近、全国や九州で賞を取るケースも増えています。

有望な起業家がたくさん出てきていて、地元でも良い雰囲気が出てきたのではと感じています。

そのおかげで、以前はイベントを企画しても人が集まるのかと心配していましたが、最近はイベントをやるとちゃんと人が集まります。地方のように母数が少ないところでイベントをやっても意味がないのでは、と昔は思っていましたが、イベントに対する考え方を変えないといけないかなと感じています。

イベントに人が来るということは、情報を受け取る方が増えたということですよね。イベントに参加される方の属性は変わってきているのでしょうか?

以前は面識ある方などに個別に声をかけて参加してもらってましたが、最近はフラッと見たことのない方が参加されたりしています。特に女性が増えてきた印象です。

地域も広がってきています。昨年は福岡で会社をやっている方も参加してくれました。そのうちのごく一部の方ですが、佐賀の方が良さそうと拠点を移してくれたところもありましたね。

青木さんも、どうですか?佐賀への移転。。

そうですね…、コメントに困っちゃっています、今(笑)成果を出されている取り組みだということがよく分かりました。

クーデター(変革?)の種まき

取り組まれている内容として、人に依存する側面が多いと感じていますが、チームやスマート化センターなどのパートナーはどのように集められているのですか?

チームについては育てていくしかないです。

チームでは、マネジメントルールを定めていて、例えば、「イベントを実施する時はみんな登壇して顔を出す」というルールがあります。自分が何者で何をやっているかを表明してもらいます。

イベント運営を委託した結果、役所側が丸投げになってしまい、委託先任せになってしまうことがよくあります。でもすると、いずれ役所ではなく受託者の側に起業家などもついていく。それっておかしいよね、ということもあってなんですが、スタッフには、そうした場で場数を踏むことで育ってもらうことを期待しています。

委託先、私達は「パートナー」と言ってますけど、初期段階ではこちらから探してお願いしていました。ただ、最近はアプローチしてくださる方が増えました。

例えば、先週、DXアクセラレータの受託者コンペをやりましたが、説明会には20社以上の申し込みがあり、審査会にも13社のご提案をいただきました。これまで取り組んできたことが界隈に広がってくれたのかな、と感じています。「一緒に仕事したいです」と言ってくださる会社が増えたのはありがたい話です。

行政では、委託で役所外に仕事を出すことは多いと思います。役所内にノウハウやナレッジが残らないということはデメリットだと思いますが、ノウハウやナレッジを残すことについて意識されていたりするのでしょうか?

意識しています。言葉が適切でないかもしれず、申し訳ないですが、チームには「(受託者に)舐められるなよ」って言っています(笑)。受託してくださるパートナーさんがこだわりをもってやってくださるのはいいんですが、チームが何もしないと、企業や起業家の支持はパートナーさんにいくわけですね。

これって、県民の財源でやっている活動として、よくないよねと。受託者だけではなく、ちゃんと県の職員として顔を見せることは大切だと感じています。

役所がアウトソースする最大の理由はマンパワーの不足です。外部の力を借りざるをえないわけですが、だからといって丸投げすることは違うと思っています。受託者のみなさんと同程度の仕事ができる、それだけの見識や力量がある、だけどリソースが足りないのでアウトソースする、そうあってはじめてイーブンな関係性ができるんです。そういう適度な緊張感をもっていい仕事にしていくことにこだわっています。

チームメンバーの方が意思決定し続ける必要があるということですよね。そのような経験をできる方ってなかなかいらっしゃらないのではと思ってしまいます。

そうですね。ないですね。役所の担当者は作業をするけど、意思決定はしないというのが通常です。でもウチは、案件のスタート段階からやってもらいます。メンバーには、「重い案件は私が判断するけど、重くない案件は判断してください。みなさんはプレイングマネジャーです」と伝えています。そして、捌き方がおかしかったらすぐに介入できるように、常に情報共有しています。究極の透明かつフラットな組織を目指しています。

最近怖いなと思っていることは、3〜4年経って異動すると、他の部署と仕事の進め方などが異なり過ぎるので、異動後にギャップを感じることが多いらしく、なのでスタッフにはあらかじめ、「ウチは違うんだからね」と常日頃伝えるようにしています。

北村さんチームから出てしまうと環境が大きく変わると思うのですが、どのように活躍されているのでしょうか?

苦労している人も多いと思います。

例えば、私はマネジメントルールとか仕事の動かし方をまとめたペーパーを毎年作り、年度当初にスタッフミーティングをします。これは当たり前かなと思っていますが、他の部署ではやっていないそうです。

なので、異動した人から「そういうのが無いんです!」というメールが来ることもあります。隣の人が何してるかわかんないって悩むようです。

みんなに言っているのは、出ていった先でそうした環境を変えることは私にはできない、なのでそれは自分から動いてやってみたら、ということです。

そのような中、最近は「新しい部署のスタッフでメッセンジャーグループを作ってやり取りを始めました」とかそういう声がちょこちょこ聞こえるようになってきました。

静かに、役所ルールを変えるクーデターの種をまいてる、そんな感じですかね(笑)

新産業というか、新しいことを始めるという対象が、企業だけではなくて自分たちも対象になるということですよね。

企業に、紙をやめましょうって言うときに役所が紙を使ってたら説得力ないですしね(笑)

経験がある方が出ていくということは良いことだと思うのですが、それを受け入れられるかどうかというのは組織の力というか、器というか…そういったところにありますよね。

教育委員会の時の経験をもとにすると、表向き、「文科省の言うことは絶対」とみんなが思っているのですが、内心では、現場の実情は違う、おかしいよね、と思っているのがほぼ8割だったりするわけです。でもみんな言わないんです。

すると、それを口に出すと隣の人も同じことを思っていたりするので、言い出すかどうかの違いは大きい。言い出す勇気を持てれば、そこを起点に変われたりします。そういう人を育てて外に出す、という感じですね。

佐賀をモヤモヤを抱えた人たちの交差点に

ここで、視聴者からいただいている質問を紹介させてください。佐賀県の将来像やこれからについて、聞いてみたいという方がいらっしゃるのですがどうでしょう。

私がよく言っているのはこういうことです。

佐賀は農業県だから世界的な人口増に伴う食糧難が起こったら強いんじゃないか、とかそういう話はよく聞くんです。ただ、そういうことではなくて、仕組みや機能、位置づけ的な将来像を考える方が大事ではないかと思っています。

そうすると、「モヤモヤをワクワクに」という話なんです。イノベーションの種はモヤモヤのなかにあったりするわけで、そういうモヤモヤを周囲に言い出すことができ、それに対して人が集まって、それが何かを変えていくきっかけになる、という地域にしたいなと思っています。

もしかしたら都会って昔はそうだったんじゃないかなって思うんですよ。だけどいつの間にか人と人との関係が疎遠になることで、イノベーションの原動力が失われてきたのじゃないかなと。

でも佐賀くらいのサイズ感だと、まだやり直せるんじゃないかなって。なので、イノベーションの苗床になるような地域にしていくという意味で、まずはモヤモヤが大事。

オジふぉとにモヤモヤ、みたいな(笑)そういう人たちが集う交差点になれればいいなと思っています。

言い出したら周りの人も実は、という話をされていたじゃないですか。人口やエリアの広さとして、うまく回りだしているのが佐賀、ということですかね。

都会は人が多いからイノベーションが起こりやすいとよく言われますが、都会の役人に「誰と飲み会に行きますか?」って聞くと、「役人同士で行きます」って返ってくるんです。そうするとイノベーションは絶対に起きない。

人が多過ぎることで同質的な集団に分断されてしまうということが都会のコミュニティなのではないかなと。

佐賀でなにかやろうと思うと、バックグラウンドの違う人と接点を持たざるをえないんです。それが、イノベーションにつながるのではないかと。経験的に佐賀はそれがちょうどいいサイズ感なんだと思います。

このスライド、なるほどなと思います。

佐賀に来たほうが良いですよ。

また困ってしまいます(笑)。他には思い描いているDXの世界観を聞いてみたいというご意見もありました。

すごく難しい質問ですね(笑)

デジタルって都会や、素養のある人達のものだっていうのが昔でした。

今ですとChatGPTもですし、他にも月額数千円でよくできたSaaSが利用できる時代です。まずはこういう状況、デジタル活用のハードルが低い時代だということをみんなが気付いている世の中にしていくことが大事かなと。

そして、役所が必要なくなる世界というのができればと思っています。役所は世の中の問題を解決する仕事なので、それがなくなればいいと思います。そして、楽隠居できたら良いですね(笑)

〜第24回目の「いろいろTV」を終えた青木の振り返り〜

佐賀県の産業DXやスタートアップ推進の取り組みについて、北村和人さん(総括監)にお話をお伺いした『いろいろTV』24回目の放送でした。いつも視聴いただき、ありがとうございます!

産業DXとスタートアップ推進の現在の取り組みのお話はメディアなども拝見していたのですが、どのような経緯で今の取り組みになったかなどの背景までお聞きでき、とても勉強になる時間でした。

また、チームの運営についても、MVVやゴール、取り組まれた成果をまとめられていたり、今までに聞いたことのない方法をとられていて、とても興味深かったです。

佐賀がモヤモヤを抱えた人たちの交差点になるのだろうと感じ、
佐賀県への移転は、いろいろ社の第6期の課題とさせていただきます(笑)