「いろいろTV」はいろいろ株式会社代表の青木が気になる人に、いろいろなおはなしをお聞きするオンライン番組です。
第52回目は、ゲストにザッツ株式会社代表取締役の阿部勝哉さんをお迎えして、「マンモス世代」や阿部さんの活動など、いろいろおはなしをお聞きしました!
目次
マンモス世代とは



阿部と申します。
いろいろ肩書きがあるのですが、メインは新卒の採用支援などをする会社をやっております。
私自身が就職氷河期世代ということで、就職氷河期世代の人を集める「 マンモスの会 」という会を作って活動しております。
本日は皆さんよろしくお願いいたします。


そうですね。氷河期なんとか、などいろいろ考えていたのですが、「氷河期と言えばマンモスだよね」と思って。
すごく単純な発想でつけた会の名前なんです。


はい。おかげさまで先日もテレビ局に取材していただきまして、全国デビューしました。


いくつか理由はあるのですが、起点になっているのは僕の今の仕事です。

僕は新卒の子たちをメインに就職支援や採用支援をやっています。今は若者が足りないということで新卒の給料が上がっています。
しかし、会社の中にいるおじさんたちの視点では「 新人に対しての接し方が、パワハラと言われてしまいそうで怖くて扱いづらい 」といった問題が出ています。
そのときに「 おじさん側の立場って誰なんだろう? 」と考えたら、「 あ、僕だな 」と思ったんです。

調べてみると、新卒の給与は上がっているけれど、中にいる僕らの世代の給料が比例して上がっているわけでもないという現実が見えてきました。
だけど、組織の中で役職に就いたり部下がいたりする中核の世代になっています。
僕らの世代って、ニュースなどで定期的に「 就職できなくて困っているかわいそうな人たち 」という文脈で注目されるケースがあるんですけど、実際は普通に生活している人が多いです。それなのに、自分はこういう立場に置かれていると発信する人があまりいない。
だから、僕らの世代の人たちが集まったら面白いんじゃないかなと思ったんです。世代的に就職のときも、就職してからも、虐げられた感のある人たちが多い。
精神的に強い人も多いだろうし、いろんな体験をしてる人も多いので、集まったら結構面白いこと出来るんじゃないかなというイメージで、この人たちを集めてみようと思いました。


僕もこういう会をやるって言い始めてからわかったことなんですが、同じ世代の人たちにこの会の話をすると、途端にいっぱいいろんな話題が出てくるんですよ。
働いている上での虐げられている感があるという話ももちろんですが、漫画やゲームなど、今の流行りの走りになっているものって、僕らが中高生の頃に出たものが結構あって。
話がバーっと盛り上がるんですよね。そこに仕事のことや就活のことなどがいろいろ引っかかってくる。
同じ世代という文脈で話することがあんまりなかったのでわかっていなかったんですけれど、話し始めると結構いろいろ出てくるなというのがありますね。


世代間のギャップや違いはあると思います。
採用関係の仕事をしているので感じますが、バブル世代の人たち、その後の僕ら、さらにその後のITバブルで新卒採用が復活した世代など、景気の波もあってそれぞれの世代のカラーは出るのかなという気がします。


有効求人倍率のグラフでいくと一番下のところなんですよね。
一番就職が悪かった年がその一個先ぐらいなんです。ほぼボトムのところが、僕や青木さんと同じ年ぐらいで、その前後1〜2年が一番ひどかった時期なんですよね。


年齢的には、下は45歳ぐらいから、上が55歳ぐらいまでの、十年間ぐらいが就職氷河期世代と言われるところなんですけども、一番ひどかったのが我々の世代の前後1〜2年ということになります。



実は僕も、就職する時に何百社も受けて全部落ちてというようなことはやっていなくて。
体育会系だったこともあり、たまたま受けた会社ですんなり受かったので就職は困らなかったんです。
でも、入社後の文化は味わいました。
人口比率が高いというのもあるのかもしれないですが、よく出てた言葉が「 お前の代わりはいくらでもいる。 」でした。

マンモス不在の大手

「 お前の代わりはいくらでもいる 」と「 自己責任 」。
だいたいこの二つのキーワードが言われるんですよね。「 お前でなんとかしろ 」みたいな。
これも人口比率的な問題があって、僕らの世代は日本の人口比率の中でも結構なウエイトを占めてるんです。
団塊ジュニア世代なので人口が比較的多い。僕ら以降が若者が減っていくんですよ。

団塊の世代の人たちはもう引退していて、次にバブル世代の人たちがいますが、バブル世代もそろそろ引退なんですよ。もう60歳ぐらいの人たちになるので。
バブル世代は会社の組織の中で言うとかなり大量に採用した人たちなので、企業の中にバブル世代って実は結構多いんですよ。履歴書書けば誰でも就職できたと言われる時代です。
一方で、僕らは採用を絞られた世代なので急に人数が少なくなっているんです。
だから、実は会社の組織の中に僕らの世代の人たちが少ないんですよね。


特に大手企業はその傾向が強いです。
僕らの世代の人たちって、大手企業が採用を絞ったので、中小企業に就職した人が多いんですよね。だから大手企業の場合は僕らの世代の人たちが少ないんです。
バブル世代がこれから抜けると、僕らの下、30代とか40代前半の人たちが中間管理職になるんですけれども、まだ若いというのもあって、本当の上司にならなきゃいけない経験を積んだ層が少ないという問題が出てきたりする。
大手に限った話になっちゃうかもしれないですけど、日本の労働人口比率としてそこは実は問題になっていたりもするんですよね。


僕もわかっていなかったんですけど、これをやるようになって調べたんですよ。
これ、僕らの世代の人たちもあんまりわかってないんですよ。自分たち中小企業に就職した人たちは、その層が少ないということもなかったりするんですが、大手の場合は結構それがある。
上司がいない、30代40代前半の上の世代の上司というのがバブル世代だったんですけど、そのバブルが抜けちゃってそこから10年ぐらい空いちゃうんですよ。


景気がずっと悪かったので、「マンモス世代を補填するために採用しよう」という動きにもあんまりならなかったんですよね。
新卒から上がってきているわけではなく中途で取るとなると、必ずしもそこにはまらないというパターンもあって。大手のやり方と中小のやり方って違ったりしますし。

そうすると、大手間で転職の取り合いになっちゃったりするわけですね。層の総数は変わらないんですよ。
これはもうしょうがないですよね。
就職してから今まで僕らは多分20年以上働いています。その期間の社会人経験を埋めるのって無理じゃないですか。
だからもう取り返しがつかないという感じになっちゃっているんですよね。

僕も仕事柄、若い人たちのことは勉強していたんですが、マンモスの会をやるようになってからこの世代のことをいろいろ調べて「 ああ、そうなんだ 」と思うことが結構多いなと思いました。
だからこそ、この世代の人たちが集まって情報交換していくということは、少し前向きにいろいろなことができるんじゃないのかなということです。
マンモスたちのイマと、会のコレカラ


やるよって言ってからいろんな人に声をかけられるようになりましたね。
「 マンモスの会って面白いよね 」とか、「 実は私も就職氷河期です 」と言っていただくケースがむちゃくちゃ増えて。
そこから自分の体験談を話し出すんですよ。「 自分はこうだった、今置かれている立場はこうですよ 」みたいに。
ニュースに出てくる内容ってかわいそうなものが結構多いのですが、「 なんかあれじゃないんだよね 」というのも結構話してます。就職氷河期イコールみんな就職できなかったというニュアンスとは違って、「 だって僕らは普通に生活してるし、家族もいるし、住宅ローンもちゃんと抱えてるし 」みたいな話ですね。
皆さん色々と苦労されたこともいっぱいあるでしょうし、不満もあるでしょうけれども、良いと思っていることもある。そういうことを打ち明けられるケースが多いです。
いろいろな体験談をお話ししていただくので、僕は話を聞いててすごく面白いですね。


そうですね。
コミュニティを作るにしても、立ち上げた人に情報が一番集まるので。


まさしくそこをこれから、というところなんです。
とりあえず「 マンモストーク 」は、5月21日に東京体育館で開催します。
講師の方を一人呼んでキャリアについてお話してもらい、みんなでディスカッションして情報交換しましょうという感じでやります。リアルでお会いして情報交換し、コミュニティとして繋がってもらうというのが一番の目的になってくるのかなという気はしますね。

我々の世代として持っている知識や経験を共有して、日頃の生活やビジネスに昇華していきましょうというのが一つのテーマになっています。
今のところ東京だけですが、今後は大阪、名古屋、福岡と広げていけたらいいのかなと思ってますね。


そこは幅広く集まってもらいたいなというのはあります。
大手企業の人もいれば、中小企業の方、自営でやってる人、ニュースになるような非正規で働かれている人もいるでしょうし。
皆さんそれぞれの経験をお持ちなので、来ていただいて交流していただくのが一番いいのかなと感じています。

マンモスの会を立ち上げたもう一つのきっかけとして、年齢的な理由もあります。
僕らがこの活動を20代や30代の時にやったとしても、経験値も蓄積もまだ足りなかったと思うんです。
僕が今年で48歳になるんですが、皆さん会社組織なり自営なりでそれなりに経験を積んでこられて、いろいろなストーリーを持っていらっしゃる。だからこそ、今持ち寄って共有していただく機会が必要なんじゃないかなと。
これがバブル世代の人たちになってくると、引退後に何しようかなという段階に入ってくるので、また文脈が変わってくるじゃないですか。
僕らは現役で、組織の中で中核となる世代になっている。一番ノリに乗る年齢になってきているからこそ、ここで情報共有が必要なんじゃないのかなというのがあります。


そうなんですよ。
バブルの人たちは最後の一花ぐらいの感じになってきている言われるので、その前の一番頑張り時というか、この人たちが頑張らないと組織が回らないよというところなんですよね。



キャリアという文脈で見たときにも、最終形態に向かっているというか。いろいろレベルが上がっていって、すごい超合金になる一歩手前みたいな感じだと思うんですよ。
プライベートでは、親御さんが年を取ってきたり、お子さんが大学生になってお金がかかったり、切実な悩みも多かったりするのも我々の世代かなと。
だから日本の経済の一番お金を動かす力があるところというのが、我々の世代になってくるという感じです。年齢が上がってきて、一定の収入もあるので、お金が動きます。
一つの経済圏としてもかなり大きいマーケットになっているので、この世代に対するビジネスというのも多分これから生まれてくるんじゃないかなというのも考えています。
みんなで持ち寄って「 自分たちが困っていることって何なのか 」が出てくると、それはそれでまたビジネスになったりとか、そういう視点もあるかなと感じています。


団塊の世代の人たちが動く年齢層によってビジネスが変わっていくってあったじゃないですか。
今、高齢者に対するケアなどのビジネスが活況なのは、団塊の世代の人たちがちょうどそこに入ってきていて、人口比率としても高いからです。
バブル世代の人たちも人口が多いのでそのまま引き継がれることになりますが、団塊の世代とバブル世代の人たちはどっちかというと景気がいい世代なので、お金をバンバン使うみたいなところは多少なりともあると思います。
我々の場合、入社してからずっと不景気だったので、財布の紐が固い、締り屋さんが多いという特徴があります。
そうするとまたそれなりのビジネスが必要になってくるというか、困りごとが上の世代とは違うので、これまでと異なるビジネス構造になってくるのかなというのも実は僕の中にはあって。
同じ世代の人たちでも思っていることが違ったりするので、情報を持ち寄るというのは結構大事なことなんじゃないかなと思います。


そうなんですよね。
いつも「 かわいそう 」文脈なので。

政府の政策などで就職氷河期世代の支援が打ち出されたりしていますが、中身は就職できなかった人などに向けた政策になっています。それも大切なことなんですが、就職氷河期世代の人口の中で一番多いのは普通に働き続けている人だと思います。
国内の経済で考えるのであれば、人口比率が一番多いところが一番動くわけなんで。今まで一番動いていたバブル世代や団塊の世代の人たちは引退していく。
じゃあ、次に動く世代ってどこなのかと言ったら、僕らの世代になってくるわけですね。ここの経済圏をちゃんと動かさないと結構まずいんじゃないのかなというのも思ってるんですよ。





そうなんです。
バブル世代と就職氷河期世代のちょうど間ぐらいの人たちというのもいるんですよ。年齢的に55歳から58歳ぐらいの人たちはバブルが終わった時の世代なんです。
就職する時はある程度よかったけども、就職した後が結構ひどかった。
就職できたけども、会社の中で後輩が入ってこなくなったりして、ずっと下っ端をやらなきゃいけなかった。
「 お前の代わりはいくらでもいる 」とか「 自己責任論 」というのもかなり言われてる。上の人たちもいろいろあるんですよね。


そうなんですよね。
自分自身はそれが普通だと思っているからあんまり問題意識もしないし深く考えないんですが、これをやるようになっていろいろ調べるようになって。
就職氷河期世代じゃないけど、ゆとり世代でもない、いわゆるタグがついていない世代になってくると、政府の支援も入ってなかったりとか中途半端にほっとかれている人たちも多かったりするんですよね。
その中間層のところはどうしたらいいの?というところは、あるんですよね。





確かにそれはあるかも。
僕らが集まって飲み会すると、北斗の拳とかキン肉マンとか聖闘士星矢とかシティーハンターとかで盛り上がれるというのは、同じ情報を同じものを見てたというのが結構大きいかなと。
若い世代になってくるとみんな好きなものを見てるから、共通の話題で盛り上がるというのは難しいかもしれない。



そうですね。僕らが就職して何年後かにITバブルが来るんですよね。
その辺でだいたい就職氷河期終わりなんです。僕らが新卒で入った時はまだ就職氷河期で景気も悪くて、2〜3年経ってITバブルが来る。
それぐらいで入社してくる人たちというのは、就職はそんなに悪くなかった世代になっています。


面白いですよね。
僕もこういう視点で見たことなかったんで、自分でやるようになって「ああ、そうか」みたいな発見がありますね。ビジネスで考えても生活していく上でも、同世代の人たちと同じ悩みが多いので、解決策を持ってる人が共有するとすごくいいのかなと。
それは僕らの世代だけじゃなくて、それぞれの世代にまたそれぞれの問題があるので、同世代のコミュニティというのは比較的面白くていいんじゃないかなという気がしますね。
マンモスの会というコミュニティ運営について


僕は過去にいくつかコミュニティを作ったことがあるんですけど、人数が少なくとも定期的に集まっていくというのがコミュニティが長く続いていく秘訣かなと思っています。
今回のマンモストークもある程度人数が集まってもらってるんですけど、回数を重ねていくうちに減っていったり、何かの行事で増えたりというのはあるでしょうけれど。
続けていくことで、何年か経っていくと年齢も上がって問題も変わっていくので、できる限り長く続けられるようにはしたいなと思っています。


SNSで発信させてもらっていると、いろんなところからお話をいただくんです。
「 大阪でやってほしい 」「 福岡でやってほしい 」「 名古屋でやってほしい 」など。
やっぱり集まってみたい、情報交換してみたいという欲は皆さんあるのかなと感じています。


最初の起点はリアルなコミュニティですが、遠方で参加できなかったりする方のために、録画して配信できるものは配信していこうと考えています。活動の記録を残していくということです。
あとはそこで得られた知識などをまとめて、noteやブログなどで発信し、情報共有できるような形を取っていきたいなと思っています。

また、ビジネス的な話になってきますが、皆さんが会社を経営していたり、中核にいらっしゃると思うので、ビジネスマッチング的なものも発生するかなと思ってます。
相性のいい方がいらっしゃれば「 繋がってみたらどうですか? 」みたいなお繋ぎはしていこうかなと。
知識を得ること、繋がること、自分の情報を発信することができていくといいなと思っています。


ありますね。
最初は楽しくみんなで飲みながら情報交換できればいいかなぐらいしか思ってなかったんです。

ただ、Yahoo!ニュースに取り上げられたりテレビに出たりしたのもあってか、皆さん結構真面目に考えてくださって。
「 情報交換したい 」「 今抱えてる悩みを持ち寄って解決していきたい 」など、僕が思ってた以上に反応があったので、僕の中では、大きくなるんじゃないかなって思ってます。
人口比率が高いのもありますし、年齢的な問題もあって問題意識が強い年齢になってきているので、一気に広がりそうだなという気はしてます。


そうなんですよね。メディアに取り上げられるなんて予想していなかったので、世間の関心度が高かったということなんでしょうね。


宣伝も含めてというところですが…
マンモスの会はみんなで知識や経験を持ち寄って情報共有し、繋がって生活やビジネスの足しになるようなことができればという会です。

リアルのイベントは今のところ東京だけですけれども、5月21日と6月18日、7月23日にイベントをやることが決定しています。
5月21日はキャリアについて考えようということで、『「 働かないおじさん問題 」のトリセツ 』を書かれた難波さんに来ていただきます。
働かないおじさん問題って実は僕らの世代の話なんですね。なんでやる気なくなっちゃったのか、でもその人たちのポテンシャルは実はあるよ、という本なんですけれども、そういう人たちがどう社会で生きていくのかというお話を聞きながら、自分たちはこれからどういうモチベーションを持ってキャリアを築いていこうかというお話ができればいいなと思っています。
6月18日と7月23日も中身は未定ですが、千駄ヶ谷の東京体育館で開催しますので、お時間あればご参加いただきたいというところです。時間は19時ぐらいからやっています。

〜 第52回目の「いろいろTV」を終えた青木の振り返り 〜
いつもご視聴いただき、ありがとうございます!
52回目の『いろいろTV』は、ザッツ株式会社 / マンモスの会の代表の阿部勝哉さんをゲストにお迎えし、「マンモス世代」について、いろいろとお話を伺いました。
まず何より、「マンモス」というネーミングがキャッチーで、番組中に何度も「マンモス」と言いながら、楽しかったです(笑)
「世代」という単位で話をすることで見えてくるものがある、という発見がとても新鮮でした。いつもは会社や事業といった視点でいろいろと考えてしまっているなと感じ、共通の時代背景を持った「世代」という視点で考えると、これまでとは違う景色が見えるんだなという発見ができた貴重な時間でした。
個人的に共感した「マンモス世代」あるあるは、「お前の代わりはいくらでもいる」、結構言われていたなと懐かしく思いました(笑)
日本全国のいろいろな「マンモス」が集まって、「マンモスの会」から新しい生態系が生まれることが楽しみです!
