ゼロから広報を始め、半年で全国メディアに掲載された、地方企業の成功事例

このコンテンツは、2021年3月17日に開催された、シプード社主催のオンラインセミナー「報道関係者と良い関係を築き、認知を高める方法を伝授。〜ゼロから広報を始め、半年でテレビや新聞等全国メディアに掲載された地方企業事例を解説〜」の第2部「ゼロから広報を始め、半年で全国メディアに掲載された、地方企業の成功事例」の内容をまとめた記事です。

いろいろ株式会社
代表取締役
青木大一郎

目次

「広報・PRの家庭教師」を半年間受けた結果、注目のスタートアップ企業として「Forbes JAPAN」に掲載

いろいろ社では、2018年の設立以降、スタートアップの支援や九州を中心とした中小企業の広報支援を行なっています。現在は、福岡市に本社を置く、アークエルテクノロジーズ株式会社を始め、複数企業の広報・PRを担当しています。広報・PR業務を行うにあたり、シプード社の「広報・PRの家庭教師」のサービスを受講しました。生徒として「広報・PRの家庭教師」の指導を受けながら、広報・PR活動を行う中で、実際にどのような効果があったのかを、具体例と共にご紹介したいと思います。

アークエルテクノロジーズ社の広報・PR業務は、2020年6月をスタートしました。今回ご説明するのは、2020年12月までの約半年の成果です。

まずメディアへの露出ですが、西日本新聞、朝日新聞、ガスエネルギー新聞、日経トレンディなど、様々な媒体に掲載されました。中でも、「Forbes JAPAN」が年に一度実施している企画「スタートアップ大図鑑」にて、国内で注目のスタートアップ企業200社のうちの1社としてピックアップされたことは、広報・PR活動をする上でとても励みになりました。

この半年間に広報・PR活動を行ってきた中で、いろいろ社が大切だと感じたことは下記の3点です。

  1. 経営層のコミット
  2. 整理の過程
  3. 楽観的な忍耐力

1.経営層のコミット

まず「経営層のコミット」ですが、広報・PRをするにあたり、会社のことを発信していかなければならないので、経営層の協力が不可欠です。記者発表会などの場合は情報を発信する上で会社を挙げての活動になるので、経営層のコミットは欠かせません。経営層の時間を確保することも重要なミッションです。

2.整理の過程

次に「整理の過程」では、広報・PR活動をすることは、自社の事業を見直すことにもつながると思っています。自社のサービスや製品の強みや弱み、事業の内容や顧客など、振り返る機会は情報発信をする上でとても重要です。

3.楽観的な忍耐力

次に「整理の過程」では、広報・PR活動をすることは、自社の事業を見直すことにもつながると思っています。自社のサービスや製品の強みや弱み、事業の内容や顧客など、振り返る機会は情報発信をする上でとても重要です。

自社の情報をメディア視点で発信できるかが、広報・PRのポイントに

まずは今回事例として登場する会社の説明をします。アークエルテクノロジーズ株式会社は、2018年に設立した「デジタルイノベーションで脱炭素化社会を実現する」ことをミッションに、活動を行なっている会社です。2020年の夏頃から本格的に事業をスタートするにあたり、以前から関わりのあった私たちいろいろ社が広報・PRのお手伝いをすることになりました。いろいろ社としても、会社として広報・PR業務を強化していきたいと考えたのが、シプード社の「広報・PRの家庭教師」を導入のきっかけです。

アークエルテクノロジーズ社の事業内容は、「アークエルエナジー」という電力小売事業と電気自動車などのクラウドサービスを提供する事業と、「アークエルデジタル」というDX(デジタルトランスフォーメーション)のコンサルティング事業の2つです。デジタルテクノロジーを活用して、クリーンエネルギーを最適に利用できる社会システムの構築・支援行うことをコンセプトにしているため、「クリーンテック企業」というキーワード用いて会社を表現しています。この「クリーンテック企業」というキーワードは、シプード社の「広報・PRの家庭教師」の講義の中で、どういった位置付けの会社かを明確にするために導き出した名称です。

広報・PR活動をスタートする際に、まず下記の4点から取り組みを始めました。

・広報・PRの目標と計画の策定
・ファクトブックの制作
・プレスリリースの制作と展開
・記者発表会

・広報・PRの目標と計画の策定

まず、広報・PR活動をする上での「目標と計画の策定」を実施。アークエルテクノロジーズ社では、2020年11月の記者発表会を目標に、2020年6月からシプード社と共に資料の作成を行いました。例えば、「プレスリリースをどのタイミングで、どのように展開していくのか」ということや、「いつイベントを開催するのか」「どのようなメディアにアプローチをしていくのか」ということを時系列にまとめていきます。

・ファクトブックの制作

次に、メディア向けの会社案内の資料「ファクトブック」の作成を行いました。ファクトブックの役割は、メディア関係者に、アークエルテクノロジーズ社どのような会社なのかを説明することです。一般的な会社案内との違いは、事業背景を明確に記載している点にあります。実際に記載した主な内容は、事業の内容や経営者のプロフィール、会社が掲げるミッションやビジョンです。「広報・PRの家庭教師」にレビューをもらいながら、約1ヶ月を掛けて全15Pの資料を作成しました。完成後も必要に応じて内容のアップデートを行っています。

アークエルテクノロジーズ社の場合、クリーンエネルギーを普及させていくことを目的に、「脱炭素化社会」を実現することをミッションに掲げています。そこで、ファクトブックの中では「脱炭素化社会」の根本的な課題が地球温暖化であることや地球温暖化における日本国内の現状まで解説しています。さらに、それを踏まえてアークエルテクノロジー社が、「今後どのような事業を展開していくのか」、「会社や事業がどのような課題に向かっていくのか」をより詳しく説明するために、事業の背景や社会的課題との関連性について、より詳細な情報の整理を行っています。どうしたらメディアで紹介してもらえるのかを意識することで、記者が記事を書く際に参考にできる材料をより多く提供することができます。

日本ではあまり耳馴染みのない、クリーンテック企業というキーワードも世界規模で見ると多数存在しています。この事実も媒体によってはネタになる可能性があるので、細かくまとめています。アークエルテクノロジー社は、実証事業にも注力していたので、その概要をピンポイントにまとめて、記事化しやすいようにしていました。

あとは取材を受けることを想定しながら、「弊社がご協力できるテーマ」というページを作り、「こういうテーマであれば情報提供ができますよ」ということを書いておくことで、メディア側との接点を作っています。「協力できるテーマ」を書いていたことで、実際にメディアの担当者から電話をいただく機会が増えました。

ターゲットになるメディアを見極めて、的確な情報配信を行う

そして、ファクトブックの制作と並行して、「メディアリサーチ」も行いました。こちらも地道な作業ですが、クリーンテックやEVの実証事業など、事業の周辺にあるニュースをどのようなメディアが取り上げているのかをリサーチして、どのような記者がどのような媒体で記事を執筆しているのかをまとめます。どのようなメディアに対して、どのようなアプローチをすると、広報・PRがより進んでいくのかを想定しながら、情報を発信するターゲット層を定めていきました。

ファクトブックの作成→メディアリサーチ→ターゲット設定→配布資料の作成というのが一連の流れになります。

他にも、アークエルテクノロジーズ社が提供できる企画やネタが発生したときに、プレスリリースの配信を徹底して行いました。昨年は、TOYOTA自動車九州社の工場内で実証プロジェクトがスタートする際や、電気小売事業で、電力卸売市場の価格に合わせた電力メニューの提供「ダイナミックプライシング」を実施、経済産業省の実証事業が決定したタイミングで、プレスリリースを配信しています。

また電力事業の新規プロジェクトが2つ確定した時期に、リアルの場とオンラインで1時間30分の記者発表会を企画し、11月に実施しました。メディアリサーチで興味を持ってもらえそうなメディアにアプローチをした結果、約20社のメディア関係者が、記者発表会に参加。その後たくさんのメディアで記事が公開されました。さらにこの記者会見をきっかけに、TVにも2回出演することができました。

ここまでが、シプード社の「広報・PRの家庭教師」と一緒に半年間取り組んだ活動内容です。サービス卒業後は、1ヶ月〜2ヶ月に1回プレスリリースを配信することを目標に、オンラインの記者発表会を実施する予定です。半年間しっかりと「広報・PRの家庭教師」の講義を受けたことで、広報・PRの活動が身につき、ノウハウが社内に蓄積しました。受講期間中に行っていた取り組みを、受講後も継続して実践できることを成果として感じています。

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