前回からスタートしたいろいろ社の新たなプロジェクト「いろいろtv」。
いろいろ社社長の青木が気になる人に、いろいろなおはなしをお聞きするオンライン番組です。
第2回目は前回に続いて、ゲストに株式会社YAMAP 内海良介さんを迎え、PTAについて、いろいろなおはなしをお聞きしました!
目次
未だベールに包まれた、「PTAの活動内容」に迫る…!
みなさんこんばんは!内海良介です!今回もどうぞよろしくお願いします。大ちゃんとは同級生で今年44歳になりまして、11歳と8歳の娘が2人います。子育てや家事、大人として子どもに関わるという文脈で今までたくさんのことを考えてきました。今日はそこから派生してPTAや保育園時代のパパ会についておはなしをしていきたいと思います。
自分の子どもを含め、他のご家庭の子どもたちのために、子どもたちの未来のために何ができるかを考えながらキャリア教育や学校に行って”働く”ということについて伝えてきました。先生ということではなく、会社員をずっと22〜23年続けてきて、現在は登山アプリを開発している株式会社YAMAPで人事の仕事をしています。今はワクワクする組織を作ることに専念しています。今日もどうぞよろしくお願いします!
4月から小学校のPTA会長をすることになったんですが、このPTA会長という名前も変えたいんですよね。”ビッグボス”に(笑)
PTAの役員はとりまとめたり、束ねたりというイメージが適切かなと思っています。昔は人の前に立ってはなしたり、ぐいぐいとリードしたりするイメージを持っていたんですが、いざ組織の中に入ってみるとみんなを上手に束ねて、全体最適を考えながらバランスを取る役割が多いなと感じました。
今私がPTAをしている小学校は、世帯数が600世帯、生徒数が800人くらいの規模感の学校です。PTAは保護者(Parents)と先生たち(Teacher)をうまく調整しながら、学校や子どもたちに対して提供するものを考えていく組織です。本当はその活動を保護者全員ができればいいんですけど、みんながみんなその時間を確保することは難しいので、保護者の代表として活動をしています。
まさにその通りですね!行事ごとで人前に立ってはなしをするのは氷山の一角ですが、裏側では旗当番がどこに立つのがいいか、この場所には誰が立っているのかを把握したり、どこの場所が危険かを保護者にアンケートを取ったりしています。その収集したデータやアイディアを取りまとめて、学校側と調整をしています。保護者だけではなく、先生たちの想いもあるので、そこをうまくアジャストさせて形にしています。
基本的なアウトプットは、子どもたちや保護者向けにプリントを作成しています。あのプリントはPTAと学校側が話し合いをしてできているものですね。毎月1回、校長先生、教頭先生、主任の先生たちとPTA側の役員と一緒に座組みして、話し合いをします。
ここ数年は対面だったんですが、つい先月の定例会からzoomを提案して、リモートに切り替わりました。これはかなり大きな変化なんですが、他の学校はどんどんDXが進んでいるところも多いです。PTAも親の中から無理やりじゃんけんで選抜するという旧来のスタイルを廃止して、やりたい人がやってくれればいいという組織に変わっているところもあって、PTA組織事態が変革のときを迎えているみたいですね。だから冒頭のはなしのように、もう会長という名前をやめて”ビッグボス”という名前にしようかなと思って(笑)
PTA会長という立場から、新庄監督を見ていたら彼のやっていることって、PTA会長のあるべき姿にも近いのかなと思って。選手たちに楽しんでもらいながら、公平に平等に機会を与えるというところとか大事だなって。
PTAの活動とは名誉や報酬のためでもなくすべて子どもたちのためにある!
お昼休みの時間とか、先生方の参加しやすい時間に1時間程行っています。PTAの組織には会長、校内向き副会長、校外向きの副会長、書記、会計がいて、書記が毎回アジェンダを作ってくれるんです。そのアジェンダに基づいて会議は進んでいきます。
月ごとに内容は変わるんですが、例えば2月だったら3月の卒業式に誰が来賓で参加するかとか、来年度の予算をどうするかなどですね。季節の行事に合わせてはなしをします。以前商業施設で働いていたときに、季節の行事への働きかけを”モチベーション”と呼んでいたんですが、それと同じような取り組みですね。それに加えて、オリンピックなどのイレギュラーなイベントに対してのフォローもしています。結構しっかりと活動しているんですよ。
そう!今日の結論はまさにそこで、何のためにやっているかというと、子どもたちのためなんですよ。PTAの活動は誰のためにやるかがとても大事だと思っていて、名誉のためでも報酬のためでもまったくなくて、すべては子どもたちの笑顔のためですね。
すべては子どもたちの笑顔のためなんですよ。そこがヒエラルキーの一番上にくるんですけど、そのために保護者や先生がいて、その保護者や先生がどの状態でいると子どもたちにとっていい教育ができるか、もっといい指導や関わり方ができるのかを考えていくと、先生たちの残業が多いとかもあるじゃないですか。学校の中の課題がたくさん見えてくるので、それを一緒に解決していきたいなと思います。
本来なら子どもたちがわくわくして何かを学ぶには、目標や目的があったほうがいいと思うんですよね。将来の夢を持つとかどんな仕事をしたいとか。でも子どもたちはお父さんやお母さんの仕事しか見ていないし、「情熱大陸」や「プロフェッショナル仕事の流儀」などの番組を見ている家庭はインプットできると思いますが、世の中にどんな仕事があるのか知らないと思うんですよ。
それを教えるのは本当は親の役目だけど、親御さんにそういう意識がなかったり、知らなかったら教えることはできないので、小学校や中学校に行って、こんな仕事があるんですよ、働くってこんな楽しさがあるんですよ、チャレンジするってこうですよと伝えようとしている人たちを応援したいと思っています。そこでキャリア教育を5年くらい前からずっと行っています。
小学校は私の人生体験をはなして、中学校は起業家の方がおはなしされるのをファシリテートして、高校は某旅行会社が企画している教育プログラムを生徒さんたちに伝えています。専門学校の場合は、すでに道が決まっていることが多いので、その道以外の道にはこういう仕事もあるよという視野を広げてもらうためのおはなしをしました。
子どもたちのために自分が何ができるか、子どもたちにいい影響を与えるには何ができるかという思いが常にあります。”子どもたち”の前に、まず自分の子どものためというのが大きくあって、下の娘が生まれたのが8年前なんですが、生まれたときに耳の障害を持っていたことがきっかけになっています。障害やディスアドバンテージは個人にあることが多いですが、社会の方が変わっていくと、社会的弱者と呼ばれる人たちがもっと生きやすくなるんじゃないかなと35歳のときに気づかせてもらいました。
そこから自分の子どもたちが属しているコミュニティやその環境をよくしていきたいなと思って、保育園のパパ会を立ち上げました。保育園の中の先生方の負荷がもっと下がって、親も先生たちを支えるみたいなことができるといいなと思って活動をすることで、いろいろ見えてくるものがあったんです。上の娘が小学校に入ったタイミングで、保育園のパパ会を後任に引き継いで、次は小学校のPTAになろうと思って、「成人教育委員会」というPTA組織の中にある委員会の委員長になりました。その辺りから、自分がもっと関わっていって、影響範囲を広げていくことが娘たちのためにもなるだろうし、耳が聞こえづらいことで他の友達からいじめられるかもしれないことも嫌でした。娘たち、娘と一緒に遊ぶ子どもたちに派生していって、気がついたらPTA会長になっていました。会長はなりたい!というより、なってもらえませんか?とオファーをいただきました。
その通りですね。子どもたちの普段の生活を見てみれば、家と学校だけではないじゃないですか。地域や校区というところで捉えたら、校区のこともよくしていきたいし、習い事をしていればその習い事にあるコミュニティもよくしていきたい。カーリングってストーンを投げたあとその先の氷面を擦るじゃないですか、あれと同じでその子どもたちがイキイキ過ごしていけるように障害物を取り除いたり、環境を整えたりすることですよね。それが親の役割なんじゃないかなと思っています。究極のグランドキーパーですね。
学校の枠を超え、その先にある地域へとフィールドを広げる
子ども会や父会というコミュニティもあって、そういう人たちが集う場所が公民館なんですね。PTAと横並びに子ども育成連合会や婦人会、老人クラブ、体育振興会などの組織が、国の省庁のような形で存在しています。そういう組織や団体がいろいろあって、その人たちが集まってこの地域をどのようによくしていこうかと話しています。
今住んでいる福岡市南区には小学校が25校あるんですが、自分の校区以外にも南区のPTAというものもあります。さらには福岡市にある7つの区のPTAが集まる福岡市のPTAがあって、”市P”や”区P”と呼ばれています。PTAは全国大会もあるんですよ!各校に代表がいて、渉外担当の副会長が代表で集まって、25人で南区のはなしをして、決まったことを会長に伝えています。さらにそこから毎年輪番で広報委員長が決まります。
組織の歴史が長いからなんでしょうね。組織の幅と深みがすごいんですよ。
同じ校区の中に小学校のPTAと中学校のPTAがあるという感じですね。小学校と中学校のPTAが集まる場もあります。
2015年に「ファザーリングジャパン九州」という、イクメンなどを啓発する団体に所属していたんですけど、そこに参加しているお父さんたちってみんな育児や家事を楽しんでいる人たちばっかりだったんです。これがスタンダードなんだと思うようになって、そのときのパパ友たちはみんな他の学校でPTA会長をやったりしているんですよ(笑) 先日もPTA会長の名簿を見たら、保育園のときのパパ友やファザーリングの仲間もいて、南区の中でも3/25は”あの人だ!”ということがありました。みなさん昔から想いを持って活動してこられているから、どこにいてもマインドがかわらないんですよね。
当たり前過ぎますけど、自分の子どものことを一生懸命サポートしてもらえれば、それで十分だと思います。こういうイベントをやっているから、必ず参加してほしいと強要することはないですし、参加できる人が参加すればいいと思っています。想いと余裕がないと関わることが難しいこともあると思うので、想いの部分で他よりも少し想いと余裕がある人が校区や自分たちの子どものためにできることをしたらいいと思います。忙しくて時間も余裕もない人は、最低限自分の子どもたちへの愛情のバケツはしっかり満たしてもらえればそれでいいと思います。
視聴者からの一問一答に”内海ビッグボス”がアンサーを投げる!
お母さんたちばかりというのは、今も変わっていないですね。新参者として組織に入るので、お母さんたちをマネジメントしてやろうという気持ちはまったくないですし、むしろ自分ができることがあればお手伝いをさせてくださいというスタンスで参加していきました。私の所属しているPTAが特にそうなのかもしれないですが、やらされてやっているお母さんたちではなくて、自から手を挙げてやりたいと参加している方々が多いので、マインドもスキルもあるんです。だから非常に合理的に意思決定が進んでいくので、あまり怖いというイメージはないですね。
委員の方々は頻繁に学校に行かなければならないこともあって大変だとは思います。でも大変だけど、賞賛やリスペクトが溢れているんですよ。頑張った分リスペクトし合う文化があるので、みなさん前向きに取り組んでいらっしゃると思います。集計作業や会議など時間がかかることも多いので、時間をなるべく短くする努力も必要ですが、それ以上に金銭以外の報酬対価を考えていけるといいですよね。
コロナの影響は学校行事に大きく影響しましたね。先ほどもおはなししましたが、学校の活動はまだDXが進んでいないので、ただ中止でした。置き換えることもできないですし、環境が整っていないので先生たちも残念な思いをされることが多かったのではないかなと思います。制度的に古いということもありますが、全然進んでいないですよね。ビズリーチに在籍していたときに、「世の中をDXで!」と事業会社や企業のDXを進めていましたが、それとは比べものにならないくらい学校現場は進んでいません。この変化にどのように対応するかというと、DXに向けての仕組みや手段をどんどん取り入れていかないといけないですね。
先ほど“区P”や”市P”のはなしもしましたが、あの辺りの集まりは早々にzoomに切り替わっていて、参加できない人のために録画もして後日配信しています。やればできるんですが、今まではセキュリティや個人情報などやらない理由を前にだして、やっていなかっただけだと思うんですよ。そんなの一般企業ではやれていることなので、子どもの個人情報だからと言っても個人情報に差はないわけなので、やってみればセキュリティの守り方はたくさんあるので、できる理由をもっと考えていった方がいいと思います。
どこかが第一歩を進めると、他の組織もどんどん進んでいくんでしょうね。
極端なはなし、校長先生になるのが一番手っ取り早いんじゃないかなと思っているんですよね。教頭先生は教員免許がいるみたいなんですが、校長先生は教員免許がいらないらしいんですよね。そうやって校長先生になって、学校改革をしてそれを横並びに派生していくといいなと思っています。いろいろ社で学校も作ってくださいよ(笑)
本当にあっという間でした!本当にありがとうございました!
〜第2回目の「いろいろtv」を終えた青木の振り返り〜
PTA(Parent-Teacher Association)は子どもたちが楽しく過ごすためにできることを探す組織、PTAは子どもを取り巻くステークホルダーとの調整役だったんですね。始まりやきっかけは自分の子どもたち、そこから始まっていくんだなとわかったことですっと腑に落ちました。
各学校のPTA毎に差異はあるのだろうとは思います。ただ、親が子どもを想う気持ち、その範囲を少し拡げるとPTAや地域の方の活動につながるのだと感じました。
地域という複雑なコミュニティの中にPTAだけでなく複数の組織がコミュニティの運営に関わっているということ、PTAが校区を超えて活動していること、何となくしか知らないことでしたが、いろいろな方の支えがあって、コミュニティが成り立っているのだと周りへの感謝を持ち続けなければと感じました。
企業情報:株式会社ヤマップ
登山・アウトドア向けの地図アプリ・Webサービス「YAMAP(ヤマップ)」を開発・運用しています。
YAMAPは、電波が届かない山の中でも、スマートフォンのGPSで現在地と登山ルートがわかる、安心安全の登山アプリ。ユーザーが実際に山を歩いた軌跡や山で撮った写真が、活動記録として日々投稿されているので、山の情報収集や登山者との交流にも役立ちます。米国の「2017 Red HerringTop100 Global Winners」、2018年には第3回宇宙開発利用大賞・内閣府特命担当大臣(宇宙政策)賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得ています。ダウンロード数は累計280万を超え、登山・アウトドア領域における日本最大級のコミュニティプラットフォームです。
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