いろいろ社の新たなプロジェクト「いろいろTV」。いろいろ社 社長の青木が気になる人に、いろいろなおはなしをお聞きするオンライン番組です。
第8回目は第6回に引き続き、ゲストに株式会社POOLの内島来さんをお迎えして、「ブランディングの仕方」について、いろいろなおはなしをお聞きしました!
目次
これから先の未来を想像しながら、コンセプトを生み出していく
みなさんこんばんは!どうぞよろしくお願いします!
2020年5月オープンした『GREENSPRINGS』なんですが、作り始めたときからオープンまでの間に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、社会や環境がガラリと大きく変わってしまったと思うんです。その中で、オープン後どのような運営をしていたのかだったり、2年経って今施設はどのような状況なのかなどをおはなしいただけますか?
青木さんがおっしゃっていたように、時代の過渡期のタイミングで開業したんですが、東京の新設の商業施設は2020年の東京オリンピックを目指して動いていました。私たちは「空と大地と人が繋がるウェルビーイングタウン」をコンセプトにして開発をしていたんですが、このコンセプトを考えたのが開業の4年前、2016年あたりでした。その頃にこの街はこうしていこうという方向性を決めていましたが、オリンピックが終わったあとの時代がどういう風になっていくのかを想像したときに、「空と大地と人が繋がるウェルビーイングタウン」がいいだろうなということで。
ここにコロナがやってきて、大変なこともあったんですが、あまり大きく方針は変えていません。『GREENSPRINGS』は施設の真ん中が公園になっていて、普通の商業施設の考え方とはちょっと違うんですね。普通は土地が空いていたら、テナントをリーシングしようという考え方になると思うんですが、「ウェルビーイングタウン」ということでお金を使おうが使わなかろうが、人が集まってくれるような場所にしたいという考え方がありました。だから施設外の空間がとても充実しているんです。コロナ禍の中で開業はしたんですが、屋内がメインじゃない施設ということで、逆に時代にマッチしていて受け入れてもらえたように思います。
2020年より先の未来を想像しながら開発に取り組んでいたものの、コロナ禍で時代が予想以上にウェルビーイングの方向にシフトしてきたなと。渋谷にある「MIYASHITA PARK」も施設の屋上がすべて芝生だったり、スケートボードができる場所があったり、砂を運べばビーチバレーができたりするんですよね。これまでの商業施設は、高さを出していろいろなテナントを入れようという流れだったんですが、それだけだと通販にはなかなか勝てないので、人が集まる空間作りに変わってきているように思います。
そうですね、コワーキングスペースも充実させていましたし、働き方の変化を含め加速はしたかなと思いますね。数ある東京のベッドタウンから抜け出して、立川市をいい街にしていきたいという思いがあってスタートしたプロジェクトなので、そういう意味ではいろいろな人が利用できるいい場所になっているのではないかなと思いますね。
そうなんです!横に昭和記念公園があることが、この施設の大きなメリットだと思っていて、そことの相性もしっかり考えました。この近くにヤギに荒地の整備をしてもらっている会社がありまして、近隣の方々からも愛されているヤギが数匹いたんです。施設の工事をするにあたって、ヤギは別の場所に移ることになったので、ヤギのお別れ会を企画したりもしましたね。子どもたち数百人くらいとピアニストを招いて、そこでヤギとお別れ会をしました。
地元のデベロッパーがこの規模の大きな施設開発をするって、とても珍しいことなんですが、地元の不動産屋として立川の街の価値を上げるということは地域にも自社にも還元されることですから。
Jターンで九州支社を設立し、愛する九州の仕事をスタート!
前回は東京のプロジェクトを中心におはなしさせていただいたんですが、今日は愛する九州でのお仕事をご紹介していきたいと思います。
まずは立ち上げたときからなんですけど、2019年11月に福岡にJターンしてきたところからはじまります。プール社は小さな会社で東京にしか拠点がないんです。僕が九州に帰りたいので、プール社を退職しますとはなしをしたときに、社長から「せっかくなら支社でもやってみる?」とはなしをしてもらえて。そんなパターンあるんだ!と思って、やってみたいなと思ってチャレンジしました。
そういった経緯もあって、九州の案件はもともとゼロベースではじまって、知り合いのツテを伝っていろいろなところへ挨拶周りをしました。そんななか、意外と2020年の年明けからいろいろな案件が動き始めます。でもコロナ禍で止まってしまうことも多くて。初めての支社だし、いろいろなことがあるなあと思いつつも、仕事をどのように進めていこうかとか在宅の環境づくりに時間を使いました。
でもいいことも多かったなあと思っていて、青木さんとも最初お会いしたのはオンラインでしたよね。今っぽい出会いだなと思いましたし、生活習慣も変わって早寝早起きが身に付きました。昔はどうしても仕事関係の人とごはんを食べに行ったりして、日付が変わってから寝たりすることも多かったんですけど、最近は11時には寝て、太陽とともに目覚める生活を送っています。
コロナ禍での副産物で何より嬉しかったのが、どこにいても全員平等という環境になったことですね。もともと東京対内島1人みたいな絵面のオンラインミーティングが多かったんですが、みんなぞれぞれの場所でミーティングするようになってから、コミュニケーションもとりやすくなったなと思いました。
あとは遠方に美味しいものを食べにいくことも難しかったので、なるべく近所のお店を勉強する時間にしました。今でもよくいくお店もそのときに出会ったところで、最初はテイクアウトからスタートしたんですが、あるときみかんを1個サービスでつけてくれたんですね。ご夫婦でされているお店なんですが、僕はそういう心遣いにキュンとしちゃうタイプなんです(笑) そういう小さな前向きな変化を楽しんでいました。そんな期間を経て、九州でスタートしたプロジェクトのおはなしをさせていただこうと思います。
まずは熊本市の観光誘客プロモーションなんですけど、観光を誘客したいというのがこのプロジェクトのお題でした。じゃあどういう切り口で行くのがいいかなと考えたときに、世の中的に女子旅が定着していますが、おじさんも旅は好きだぞと(笑) そんな感じで打ち合わせ中に、「おじさんの旅はどうかな?」というはなしが社内でも出てきました。2020年当時「おっさんずラブ」のようなおじさんかわいい現象みたいなのがあった時期で、おじさんブームがにわかにあった感じで。
おじさんってリモートワークをするにしても家庭に居場所が少ないんじゃないかなという考えや実体験のはなしもあって、「おじさん同士で旅をするのっていいよね!」となりました。僕自身もおじさん同士で旅をするので、俺たちだって女子旅みたいに弾けたいんだという心の声を代弁する感じで企画しました。
まずは係長、係長代理、平社員のずっこけ3人旅みたいなテーマにして、おじさんはどこにいくかな?とか設定を考えるのも楽しかったですね。僕も実際熊本に行って、おじさんはまずサウナだろ!とか釣り堀もいいなとか、実際に旅してみました。熊本ってどうしても「熊本城行きます!」となりがちだと思うんですけど、あえてマニアックな場所を巡って違ったアプローチでの熊本の楽しみ方を考えました。
おじ旅いいんですよー!もちろん定番の場所も巡るんですけど、おじさんも実は甘い物好きなんですよね。僕も甘い物が好きですし。
やっぱりそうですよね!あとは角打ちとか、なかなかフォーカスされないところに行ってみたり。よくある熊本も見せつつ、新たな熊本の面白さも提案するみたいな感じで企画しました。
そうですね!
ひとつの基準として、動画の再生回数があります。あとはSNS周りの拡散の具合など、数字で示していきました。
反響は想像以上でしたね。YouTubeの再生回数も多かったですし、視聴するだけではなくコメントもたくさんいただきました。SNSでも話題になっていました。普段、熊本市長は観光のプロモーションなどに関してSNSで発信することはないんですが、その年で1つだけこの「おじ旅」のことを発信してくださっていたのはとても嬉しかったですね。そういう意味では、我々としてはとてもいい結果だったになったと思っていますね。
福岡の事務所に所属されているプロの方々です。
オーディションをして、いろんなおじさんにお会いして、組み合わせを考えたりしました(笑)
それぞれの設定があるので、3人並んだときのおじさんのバランスを考えましたね。あまり年が離れていると一緒に旅をするかというとそうでもない気がするので、そのあたりの仲が良さそうに見える感じは大切にしました。30人くらいのおじさんの映像を見ましたね。その場で即興の3人芝居をしてもらったりして、どうやって会話を広げていけるかなどを見させてもらいました。
細かい部分まで”どこまででも”取り組むプール社の企業姿勢
次にご紹介するのは、企業のリブランディングの案件です。福岡市内にある株式会社ニチリウ永瀬という園芸や農業などの専門商社に近い会社なんですが、社長が代替わりするタイミングでご依頼をいただきました。創業100年くらいの会社で年商も300〜400億規模の会社で、全国でも有数の規模です。社名が特徴的で初めて社名を聞いたときにどういう由来なのかを聞いたんですが、今まで合併を繰り返してきたそうで、その頭文字を取ってこのような名前になっているんだそうです。
社長におはなしをお聞きしてみると、直接物を購入できる時代に今後卸業は必要なくなるのではないかとお考えでした。でもこれは広告代理店もそうなんですが、僕も今後代理業は必要なくなってくるんじゃないかなと思っています。旅行代理店などもそうですが、個人がインターネットを使って自分で旅行のプランも予約もできるようになっているので、そういう意味で社長は今後卸業も同じ状況になっていくのではないかと懸念していました。あとは新規事業のための人材育成についての課題がありました。
社内の方々に向けてワークショップをしたり、インナーブランディングという形で若手の方々を中心に7ヶ月間隔週で全17〜18回のミーティングを実施しました。事業が多岐に渡る会社に在籍していると、自分の事業部以外がどんなことをやっているのか知らない方もいるので、会社を俯瞰でみてみたり。みなさんが自分たちの会社をどう理解するかということも大事ですが、カスタマーやユーザー目線で事業整理をお手伝いしました。
合併を繰り返しているので、ブランドがいろいろあるので、そのあたりもしっかりと整理してプライベートブランドの開発や自社のPRに活かせるツールを作成しました。農業・園芸が強みの会社なので、その部分を活かしたブランド作りをしようということで、チームのみなさんといろいろ考えました。そこで種を植えるというアイコンを考えて、未来に向けて新しい種を植えるぞという意気込みと、ウェルネス、ウェルビーイングの意味を持たせた造語「Welz(ウェルゾ)」という言葉を作り、ブランド化しました。
社内の事業やブランド整理から始まって、アウトプットまで含めて半年〜1年スパンで一緒に取り組みをさせてもらいました。僕たちはブランディングの案件をいろいろお手伝いさせてもらうことが多いんですけど、短期のお付き合いで終わることもよくあります。でも今回は嬉しいことに長い期間関わらせてもらっていて、今はCIの開発やコーポレートサイトの制作、社内評価制度の冊子までアドバイザー的な立場でサポートをさせてもらっています。関わる時間が長いほど、会社のことを深く知れたり、いいコミュニケーションが取れるので、サポートできる範囲や内容も深まりますね。
おっしゃっていただいた通り、とても細かいところまで関わっていますね。結構マニアックな部分というか、どっちでもよくない?と思う部分をそのままにしてはいけなくて。ブランドを作っていくということは、みんなが同じ方向を見れるように判断軸を作らないといけないと思っています。細かい部分だとしても、誰か1人でも「こっちでよくない?」となってしまうとブランドとしてはあまりよくないと思うんです。
細かいところまできちんと見ていかないと、その人の考え方に影響するので、先々でその人が違うことをするときに大きなズレになってしまうので、かなり細かいところまで関わりますね。京都のホテルも立川の施設もそこまで関わるの?というところまで関わっていて、テナントのリーシングのサポートもしましたね。はなしだすと本当にキリがないというか、自動ドアの衝突防止のシールをいろいろ考えたりとか(笑)
どこまでもやれるという感じですね。どんなにいいコンセプトを考えたり、いいビジョンがあっても、そこに社員の方が前向きな気持ちで同じ方向を目指そうと思ってもらわないとブランド作りに寄与しないと思っています。その施設やホテルを実際に動かしていく方々が、どういう振る舞いをして、どのような思考になるのかを見ていかないといけないなと。例えば、SNSの文章の語尾や言葉のトーンやマナーなど細かい部分もそうですし、ブランド全体のトーンとマナーを作るときも細かく考えていますね。
会社の文化ですね。僕自身はO型の末っ子なので、適当人間なんですよね(笑) 社会人になってCMの制作に携わって、細かい段取りの大事さを学びました。怖い監督もまだたくさんいたので、怒られないためにも細かく、慎重にチェックしていく習慣がつきました。プール社に入ってからは、社内全員がブランドを作るということはそういうことだよねという同じような認識をもっていることもあって、より意識が強くなりました。
僕だけに限らず、プール社はもともと広告畑の人間が多いのもあると思います。広告って表現できる面積や時間が限られていて、CMだと15秒や30秒がベースになりますし、ポスターもサイズが決まっているのでその中でどう表現するかということになります。だからかなり細部にこだわる仕事の進め方なんだと思います。
CMの場合、30秒のために何千万というお金をかけて制作します。僕たちは30秒をパラパラ漫画みたいな感じで、1秒を30コマだと考えています。さらに1秒をもっと細かいフレームという単位で見ているんです。1フレームは0.03秒なんですが、それくらい細かく30秒のCMを作りこんでいきます。広告という表現の世界は、映画やアートに比べると面積や時間に制限があるので、細かくなっていくのかもしれないですね。
内島 そうですね。進め方は大事だと思いますね。
プロジェクトに合わせた緻密な戦略で情報を的確に発信する
3つめは福岡県大川市のプロジェクトなんですが、ふるさと納税のプロモーションをお手伝いしました。九州内にお住まいのみなさんはご存じの方も多いと思うんですが、大川市は家具の街と呼ばれていて、飛騨と旭川に並ぶ日本三大家具の街です。そのエリア以外ではあまりまだ認知されていないことも多いという感じです。青木さんや小林さんはふるさと納税をされていますか?
ふるさと納税って1度やってみるとハマる人が多いような気がするんですが、小林さんはどうしてやったりやらなかったりなんですか?
実は今寄付をできる権利を持っている人のうち、まだ10%〜15%くらいしかふるさと納税をしていないというのが現状なんです。それでも最近では地方自治体の収入に貢献しつつあるので、各自治体それぞれが力を入れています。プール社としてもふるさと納税は初めての取り組みでした。元々は競合があって、そこが担当しているときは、「大川市にはこんないいふるさと納税がありますよ」という広告の費用に8割くらいの予算を使っていたそうです。でもただ知ってもらう機会を増やしても、大川家具のよさを知らない人たちもいると思うので、デジタル広告だけでは情報を届けることはできないんじゃないかなと思い、2つ戦略を考えました。
1つめは、「ふるさと納税の返礼品で家具が手に入るんだ!」と思ってもらえること、2つめは「納税しようかな」という気持ちを入り口にすることです。家具を欲しい人の方が母数は多いと思うので、その人たちにふるさと納税で家具を買ったらどうですか?という案内をすることをコンセプトにしました。ふるさと納税の中でも家具はフルーツなどに比べると、金額が高いので動機が強くないと寄付に繋がらない。そういう観点から、戦略を立てていろいろな形で情報発信をしていこうということになりました。
ふるさと納税をされたことがある方ならわかると思うんですが、ふるさとの納税のポータルサイトがとても見づらいんですね。せっかくふるさと納税でいい物があるんだから、おしゃれなサイトで見せた方がいいんじゃないかということで、「大川家具ふるさと納税店」という架空のお店を作りました。そこに掲載する家具はすべて同じ空間で同じライティングで撮影して、情報の整備をしてサイトとパンフレットを作成しました。プール社がLDH社と関わりがあるので、九州出身のEXILEの黒木啓司さんに依頼をして、情報発信を手伝ってもらいました。結果的に9.8億円から12.2億円と前年比125%と目標を大きく上まわりまして、今年度も引き続きお手伝いさせていただくことが決まりました。
最後に今、水面化で動いているプロジェクトについても少しご紹介も少ししたいなと思います。まずは焼酎メーカーさんと海外向けの焼酎のブランド開発をしています。これもプール九州を立ち上げてすぐからスタートした案件だったんですが、コロナの影響で思うように進まず、やっと今年の夏に発売する運びとなりました。商品のコンセプトやデザインを担当しています。他には長崎県の壱岐島のブランディングを今年からお手伝いすることになりました。福岡から船で1時間くらいで行ける小さな島なんですが、産学官民と連携して離島の未来モデルのケースとなるプロジェクトをしています。あとは、コスメブランドのリブランディングを手伝ったりしています。
いろいろなケースがありますね。知人の紹介やコンペですね。他には代理店からプール社がいろいろとプロダクトを作っているのを知って、お声かけいただくこともありました。あとはエネルギー庁の仕事を専門にしている会社があって、玄海原発の30km圏内にあるので国の予算で何かできないかというおはなしもきました。九州にも広告系のエージェンシーが大小さまざまあるんですが、クリエイティブを東京から呼ぶこともあって。そういうときに東京ではなく、僕に声をかけてもらってご一緒したりもしています。
ありますよ!僕の前職が映像プロダクションとしては結構大きい会社だったので、そこを退職して福岡に戻ってきている人たちと情報交換をしたり、コミュニケーションを取ったりしています。あとは高校の同級生から仕事のはなしがきたり、ふらっとはなしが舞い込んできて、そこに対してできることを提案していくという感じですね。
せっかく戻ってきたんだから、九州の街や企業のために働きたい
九州にきてからは、会社の規模が東京とは違うので、それもケースバイケースですね。僕としては、費用をあまり気にせず受けることもあるので、たまに東京チームから怒られるんですけど(笑) 予算があってのことなので、その中でできることを提案して進めることもありますね。
広告代理店というと、みなさん費用感がよくわからないし、高そうというイメージもあると思うんですが、九州での動きに関してはそこは切り離して考えてもらえればと思っています。お金は大事ですが、この仕事をしたいという部分も働く上でモチベーションになります。あとはせっかく九州に戻ってきたんだから、九州の企業や街のために仕事をしたいと思っているので、その気持ちを東京チームも理解してくれている部分はありますね。予算がないからやりませんということはなくて、この予算内でこういう形はどうですか?という形でご相談することが多いですね。
九州に戻ってきたときからやりたいなと思っていることが1つあります。地元のサッカーチームを応援していて、昨日も山口まで遠征して試合を見てきて、今週末はまた長崎に行くほど好きなんですね。長崎チームが長崎の街の真ん中に長崎スタジアムを構えているんですが、そこをジャパネットたかた社が中心となって長崎スタジアムシティープロジェクトを立ち上げて取り組んでいて、僕もすごく応援しています。
長崎県は人口の流出が日本一多いような自治体で、こういった街を変えるプロジェクトがあることで、雇用や新しいビジネスも生まれると思うんです。長崎に住む人たちが、「もう東京とか行かなくていいじゃん」と思えるような場所になっていくんじゃないかなと想像しているので、何かしら関わりたいなと思っています。これはずっと言っていますね。
元々広告畑の人間なので、良くも悪くも瞬間風速的な考え方なんですよね。プール社に入って初めて作ったホテルに行ったときに、空間を体験するという経験に鳥肌が立ったんです。20〜30年経って自分の子どもが大きくなって泊まりに行くこともできるでしょうし、街の人にも愛される場所になるかもしれないですし、広告ではなく場所を作るということはそういう経験や可能性も秘めていてとても素敵だなと思いました。
そうですね。広告や映像ももちろん大好きなんですけど、どんどん更新されていく物なので1年後には忘れられていることもあるんですよね。でも愛される場所や街が変わったという想いはずっと残っていくので、違った嬉しさがあるなと思います。
それは企業さんの案件も同じですね。例えば、姫路市にある革をなめす工程の会社でかれこれ5〜6年のお付き合いなんですが、リクルーティングでとても優秀な人が入社してくれたとか目に見える形で効果があったり、会社の中で何かが変わっていく様子を見ることができたりするのは嬉しいですね。先程ご紹介したニチリウ永瀬さんもそうなんですが、元々は制服着用が必須だったところを、脱制服の方向性に切り替えることになりました。こうやって会社が変わっていこうとしているときにお手伝いができるのはとても楽しいですね。
そうですね。やっぱり体験を作ることは大切で、お酒ってどのように飲むかが大事になってくるので、そういうところまで設計しながら商品を考えたいなと思っています。
いろいろ複合しています。飲み方もそうですし、いろいろですね。
〜第8回目の「いろいろtv」を終えた青木の振り返り〜
プロジェクトを進めている時と環境が大きく変わった中でオープンした『GREEN SPRINGS』がオープン後のお話、そして、内島さんが愛する九州のプロジェクトの話をお聞きできました。第1夜でも感じていて、第2夜でも思ったことは、クライアントへの想いが溢れているなと。
そして、その想いを言語化されるのがとてもうまく、これがプロジェクトをうまく進められているコツなんだろうと感じました。