【いろいろtv_#32】地域の課題掘り起こしイベント「加唐島のUMA」実施報告

いろいろ社の「いろいろTV」はいろいろ社代表の青木が気になる人に、いろいろなおはなしをお聞きするオンライン番組です。

第32回目は、ゲストに合同会社Light gear代表の山本卓さんをお迎えして、いろいろ株式会社後援のもと11月25日に行った企画「加唐島のUMA」について実施報告や感想などをお聞きしました!

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目次

地域の課題掘り起こしイベント「加唐島のUAL」とは

本日はよろしくお願いします。山本さんは2回目のご出演ですが、今日が初めての方もいらっしゃるので簡単に自己紹介からお願いしてもよろしいでしょうか。

合同会社 Light gear の代表をしております、山本と申します。

主には映像制作のお仕事をしながら、中山間地域の活性化のプロジェクトを行政とやったり、企業誘致などの活性化プロジェクトをやっています。

音無てらすという、佐賀市の富士町のコワーキングスペースも運営しています。開設から1年半ほどですが、延べ人数では1500〜1600名ほどがこちらののんびりとしたスペースでお仕事をされてきました。

僕も何度かお邪魔していますが、音無てらすという名前の通り、静かで、しかも景色がキレイで仕事をするには最高の場所です。

今の時期は虫も鳴かなくなりましたので、本当に音がない時間がありますよ。

そんな山本さんには、11月25日に開催されたUMAアドベンチャーラボのイベントについてお聞きしたいと思います。まずはどんなイベントだったかをお話しいただけますでしょうか。

これが、本当に説明が難しくてですね(笑)。未確認生物というテーマでやっているので、あれはなんだい?と今日も言われました。

もともとは未確認生物を自分たちで作って発信していこうよ、という取り組みですね。

もともと私がUMAが大好きでして、なんとかUMAを地域活性に活かせないかなと考えていたところ、このイベント開催にたどり着きました。

地元の方に「今ある地域課題や身の回りの問題ってなんだろうか」というのを聞き、地域課題を掘り起こしながら、それを、こういうのを作ろう!と決めずに、自分で手が動くがままに生物を作り上げていき、それを地域課題を起こしているUMAとして、身近に感じてもらえるように発信をしていこうよ、という企画でございます。

もともとUMAが好きだったんですよね。

そうなんです。UFOやネッシーやチュパカブラに夢中になっていて、調べたりするのが大好きだったので、なんかいつか未確認生物を自分で発見できたら良いなというそんな思いもありました。

UMAアドベンチャーラボの活動で、今回の加唐島でのイベントがどういう経緯で開催されることになったかなどもお聞きしたいです。

今回は加唐島にあるSelfishというカフェとコラボさせていただきました。本当にいい場所です。

今回は島外から人に来てもらうということもあり、島の課題や身近な問題について知っていただくことも大事だろうと考えました。

そこで、地域課題を聞きながら島を歩く、ということから始めました。

猫島など、ポップな話題としてメディアに取り上げられることはあるのですが、こういう課題がある、こういうことに困っているんだ、というのはなかなか表面に出てこないので、それを引き出すための島歩きから始めました。

そのあとは、加唐島と言えばお魚が美味しい場所ですので、島で採れたお魚、特産品の椿オイルも楽しもう、ということで、カフェで過ごしつつ、お食事をご用意いただきました。

食事の後は、課題を未確認生物として、粘土で形にしていきました。

こういう感じですね。

そして、それを課題があった場所に持っていき、写真を撮り、観察し、最後は報告会を行いました。

この生物がいるから、こういう課題があるんだよ、という情報発信をしました。

ありがとうございます。それでは、写真を見ながらイベントの様子を教えてください。

こちらが、島に到着して街歩きをしているところですね。

真ん中に写っていてマフラーを巻いているのがSelfishのえりなさんですね。加唐島には滞在できる場所がないので、古民家を自身で改修して、カフェを営んでいます。加唐島に島外の方が来るきっかけを作ろうとしている方です。

右上に写っているのがSelfishですね。

写真の右上の小高いところですね。猫島ということでしたが、猫の写った写真もお願いします。
猫、たくさんいましたよね。最終的にはここに15〜6匹が集まってきました。

この横に、Selfishができる前の唯一のカフェ的なものがありましたね。

あの自販機のことですね。

これが島民のみなさんにとってのカフェで、ここでお茶を飲まれていたんですよね。Selfishができるまでは。

山本さんが加唐島に行ってみて、課題や印象はどのようなものだったのですか?

イベント前にお伺いして一番初めに思ったのは海に流れ着く漂着ゴミや、土砂崩れ後に片付けができていない道、イノシシに荒らされている場所など、課題はたくさんあるのではという印象を持っていました。

イベント前にお伺いして一番初めに思ったのは海に流れ着く漂着ゴミや、土砂崩れ後に片付けができていない道、イノシシに荒らされている場所など、課題はたくさんあるのではという印象を持っていました。

島民の方たちから直に、こういうことに困っているんです、というのを聞けたのはとても興味深かったです。

ヒロキさんも今回は参加者として参加されてますが、印象に残ったことはありましたか?
ありきたりかもしれないですけど、とにかく景色がきれいでした。
島民100人未満の島だと聞いていたのですが、しっかりと整備された神社とか、素敵でした。でもアンバランスで、観光できる場所はあるのに滞在とか食事とか買い物ができる場所が全くない、というのがすごかったです。

島だから独特の、ものを直すという文化がありました。本土から取り寄せるというのが大変なので自分たちで直すことを基本とされていたりしましたね。

島なので資材を船で運ばなければいけないというのは当たり前のことかもしれませんが、大変なことですよね。
そんななかでも遊び心を持たれていて、地面に絵が書いてあったり、小学生が作ったフォトスポットがあったりもしましたね。

UMA乱入!?電波を司る何かが襲来!?

あれ…山本さんが固まってますかね?山本さーん!?いろいろTV32回目にして初のゲストが固まる、という事態が起きております…。
復旧されるまで、当日のスライドショーを。
加唐島にはこの船で行きます。呼子港から1日4便出ています。
島探検は先ほどお話したので、カフェでの食事風景でも。こちら、古民家を改装されているので内装は少し和の要素もあります。
いただいたお寿司とテラスからの景色の写真です。寿司ネタはすべて島で釣れたものだそうで、珍しい魚も含まれていました。アジ、イカ、ヒラスズキ、カナヤマですね。カナヤマなんて聞いたことない魚でしたね。カフェの目の前が急斜面になっているおかげで、海がキレイに見えるんですよね。
お、山本さん戻られましたね!

いやぁ、電波が何故か悪いんですよね。電波障害を起こす未確認生物が出現しているんだと思うんですよね。

電波障害の…デンパタロウ?デンパタロウかな?

やられた〜。

オンライン会議への新しい戻り方ですね(笑)

UMAのおはなし

ここからはUMAのお話をお聞きしていこうかなと。

いやぁ、めっちゃ作りましたよね。この日、何体くらいできたんでしたっけ?

ざっくり50体ちょっとですね。
未確認生物は粘土で作ったんですよね。

そうなんです。この中だと、ど真ん中のお地蔵さんみたいなやつも印象的でしたね。

街歩きで地蔵を見た子どもたちが地蔵ポーズになるという不可解なことが起きまして。調べたらこの生物がいたというね。

一番右のやつは島の方々が言っていた課題で、急にお湯が出なくなる「おゆでなーい」という生物だそうです。コンロの着火の火を吸い込んじゃうらしいんですよね。

50体のうち、名前のついた生物はインスタグラムで順次発信されます。

この生物も面白かったですね。

ネコナツキムシ!

加唐島の猫って本当に人懐っこいんですよね。それはUMAのせいだったということですね。

そうですね。とにかく人懐っこかったですね。子どもたちに乗っかってたりしましたからね。

これはヒロキさんが発見した生物ですかね。

そうですね。島のいたるところに浮き具を捨てていくという未確認生物ですね。漂着ゴミの原因ですね。

いっぱい落ちてたもんなぁ。

いろいろなことが起きているのは全部UMAのせいというコンセプトですよね。他にはどういったものがありますか?

メインキャラクターになってるのはこれですね。コイツがZASSO(ザッソ)というキャラクターですね。

ZASSO??

着てる!!

着てる!!

山で生活をしていると草刈りとかもしますが、草刈りをちゃんとやったはずなのに翌日にはもう雑草が生えていることがあります。よくよく見ると、草刈りをしたそのすぐあとに、このUMAが雑草を植えてた、という話なんですね。

雑草が増えててもいらいらしない、こいつが自然のためにやっているんだな、と優しい気持ちになるようにしています。

未確認図鑑というInstagramでの発信ですね。今いくつくらいのUMAがいるんですか?
今は54のようですね。
図鑑公開から半年くらいでしたっけ?

UALの開設が9月なので3ヶ月ちょっとですね。

すごいペースで発見されてますね…。

加唐島でのイベントの感想

今回はいつもの音無てらすではなく、加唐島での出張イベントでしたが、いつもとは違いましたか?

そうですね…。正直、めちゃくちゃおもしろかったです!

今までは狭い場所で、身近にあるものからアプローチするというものでしたが、加唐島という広いフィールドで頭がグチャグチャっと練り上げられるというか、そういう感覚がありましたし、小さい子から親御さん世代まで1つのテーマでみんな同じように話せて交流ができているのも良かったですし、子どもたちの発想を聞いた大人たちのリアクションというのも、いつものやり取りよりも純粋な心で会話ができているというか、童心に帰れているという感じがしましたね。

一番楽しんでましたよね。卓隊長。

僕、一番楽しんでました。

他の地域に行くことで、俯瞰で見られたというか、視野が広がったのも良かったですね。今回の加唐島では海や猫などそういう、全く違うことを考えたかなと思います。

いつもは「探す」という感じだと思いますが、今回は会話の中からも「産まれた」感じもありましたよね。

着眼点は変わりましたね。

例えば、空き家を見たときに、私たちとしては未確認生物のせいや!というところまでだったのですが、子どもたちの発想では空き家ができてしまうところから、空き家の解決策まで未確認生物が行うというものもあり、そういったストーリー作りだったり、その先の未来をどう描くのかというところまでいけてたりしました。言葉にするのが難しいのですが、未来が見えた感じがしました。

子どもたちは対になる生き物をたくさん作っていましたね。自然を壊すものと守るもの、という感じの生き物とか。

未確認生物=悪いやつということではなかったですね。僕らはどうしてもそういうふうに考えてしまいますが、子どもたちが作るものにはヒーローがいたり、そういうのは面白かったし必要な考え方だと思いましたね。

元々はまちおこしのイベントで、楽しいエンタメでしたけど、今回のものは社会課題に向き合うという内容になっていました。社会課題とUMAの組み合わせってどう感じましたか?

不思議な組み合わせですよね。僕は地域課題への取り組みはいろいろとやってきましたが、小難しく考えすぎてしまう節があります。もっとシンプル、ライトに考えても良いんじゃないかと感じました。

人口減少や耕作放棄などの大きな問題にアプローチするのは難しいものですが、自分の周りにある課題1つ1つにアプローチしていくことで将来、大きな問題につながるのではないかと考えたときに、もうちょっと楽しく身近にやれたらいいなと思っていました。

未確認生物を通すことで、あれ、いけそう!と思えました。

あと、課題解決だけじゃなくて…。

人と楽しく話したいじゃないですか。気兼ねなく、粘土でもこねながら笑

UMAを創るという活動をしながら島のお話を聞けたので、良い意味で楽しく理解ができたかな、と感じました。社会課題をフィールドワーク的に歩いて話を聞くだと、子どもは興味を持てなかったでしょうし、大人も聞いたものを作るという行為の中で一歩踏み込めた部分もあったかなと思います。

実際に会話している中でもそれを感じましたね。

小難しいことを小難しく話す、というより、ちょっと重いテーマを楽しく話す、というのにはUMAは良かったなと感じました。とても新鮮でした。

これが「地域の課題ってなんですか!?」っていう質問だと、「いやいやいや、ないよそんなの」となってしまうかもしれませんが、UMAを通しての「困っていることなんか無いですか?」だと、気軽に話してもらえたりしますね。

あと、一番良かったのは島民のご家族の方に参加していただいたところですかね。参加者のお子さんと交流できたのがよかったですね。

当たり前のように遊んでますけど、子どもたちはみんな地域が違いますからね。この写真。

ね。加唐島、福岡、東京の子どもたちです。

こういう姿を見ていて、普通になんか泣きそうになったんですよね。

我々からすると買い物できる場所がないとかって想像を絶する不便さだと思うので、なんとかしたほうが良いんじゃない?なんて思ってしまいますが、島民の皆さんから「不便」って言葉って、ほぼ出てなかったんじゃないかなと思います。
確かに、出てないですね。

こういうのがなかなかできないというか。

地域に必要なことはあるかもしれないけど、地域の方は欲していないということってあったりしますよね。スーツを着た大人たちがガンガン開拓して不要なものを押しつけていくような。今回はそうではなくて、混じり合うイベントでしたね。

イベントを持ってきました的なものでもなければ、地域の方におもてなしを全部任せるのでもない、それぞれがそれぞれに何かを持ち合いながらやった、というのも良さだった気がしています。
一緒に遊んだって感じですかね。
課題みたいな大きなことって皆さんあんまり思ってなくて、自販機で冷たいビールが出てこないということのほうがよほど問題だったりして。

UMAという企画を通してわかってきた、「ズレ」ですよね。

課題解決を行うための正攻法はあると思うんですが、そういうことじゃなくて、楽しみながらやっていけることのほうが幾分か必要なんじゃないかと思っています。

話すとか、認識を合わせるとか、そういうのには良い塩梅のコンテンツでしたね。

UALのイベントの今後の展開は?

次やってみたいイベントとかってありますか?

次は加唐島以外の場所でもやってみたいと素直に思いましたね。

歩いて、話して、をもっとやってみたいです。

また、それぞれのUMAをマップ化したいです。昔から何らかのマップを作ってみたいという気持ちがあるんです。世界地図にわくわくしていた子どもでしたので、地図にはワクワクしてしまうんですよね。

UMAを使った架空の観光マップを作ってみたいなと。

人が来るきっかけづくりもしてみたいですね。

もう作り始めていらっしゃいましたよね。確か。

スタートを切りましたね笑

これを見ながら歩くと、普通の海岸が違って見えるんじゃないかな、なんて。

空き家ハンターがいるところは島の空き家問題のところですよね。リアルを含んでていいですね。普通、観光って良いところを見に行くし、現地の人も良いところを教えてくれるのに、UMAを通すと悪いところとか課題とかも見せてもらえて、しかもおもしろいというのが良いところですよね。

今回はスタンプラリーも楽しかったです。単に歩くだけじゃなくて、探すというのが入るとより深く見ようとしますしね。そういうのも、普段と違う見せ方の1つかもしれませんね。

今回は音無てらすから連れて行ったUMAを探すラリーでしたね。
加唐島以外も、とのことですが佐賀の離島は7つですよね。島によって違いがあるでしょうし。それに島以外もですよね。例えば、どの島でやってみたいとかはあるんですか?

隣の伝統で「鯨骨切り唄」を歌う小川島には行ってみたいですね。

伝統的なお祭りとかがあるときにも行ってみたいですよね。
加唐島にもお大師参りという和製ハロウィンみたいなものもあるそうですから、それも見てみたいですよね。

未確認生物+@で楽しめたら良いですよね。この時期だけ発見できる生物!とかも見えるでしょうしね。

あとは、ゆくゆくは海外のUMAを探しに行きたいです。

イエティとかスカイフィッシュとか、そういうメインどころも探しにアドベンチャーしたいですね。

大冒険じゃないですか!笑

子どもたちと親御さんとでジャングルとか行きたいですね〜(笑)

最後に来年のUMAアドベンチャーラボの抱負を教えてください。

来年は、7島制覇!ですかね!!

佐賀県庁の方、ぜひご検討ください(笑)山本さん、本日はありがとうございました!

〜第32回目の「いろいろTV」を終えた青木の振り返り〜

2回目の出演となる山本卓さんに佐賀県唐津市の加唐島で2023/11/25に開催されたUMAアドベンチャーラボのイベントについて、お話をお伺いしました。今回は僕ら自身も参加したイベントについて『いろいろTV』で話を聞くという回でした。

加唐島での1日の話を楽しそうに話をされる山本さんの話を聞きながら、「すぐる隊長(=山本さんのUMAアドベンチャーラボでの呼ばれ方)」が1番楽しんでいるからこそ、参加者の子どもも大人も心置きなく楽しめるんだろうなと感じました。

2024年のUMAアドベンチャーラボが他の島に行ったり、島以外での活動をしたりとどんな展開になるのか楽しみにしています!

※僕個人の感想ですが、いつも通り事前打ち合わせや台本のない『いろいろTV』でしたが、イベントに参加していたので、どんな風に聞いたら、イベントの楽しさが伝わるのだろうと考えながら話を聞くという初めての経験で、これまでと違った新鮮さを感じた回でした。