旅レポ:加唐島のUMA

いろいろ株式会社は合同会社Lightgearが企画・運営している「UMAアドベンチャーラボ」の活動に参画しています。
2023年11月25日(土)に、佐賀県の一次離島である「加唐島」にて、UMAを想像して創造するイベント「ソウゾウ」を開催しました。

イベント当日のことなどを小林弘輝がレポートしていきます!

目次

加唐島へ渡る港を目指して

東京都内在住で、九州にあまり詳しくない私は、佐賀県の加唐島に行くには、佐賀空港に飛び、そこから車移動、船移動といった順序だと思っていましたが、加唐島行きの船が出る唐津市の呼子港は、車で15分前後の差ではあるものの福岡空港の方が近いことに少し驚きました。

福岡から呼子港までは車で約1時間30分。
窓から見える景色は、THE都会の福岡中心部から徐々に住宅地に、そして、糸島などのとても景色の良い場所を通り、唐津城を横目に見ながら進む、という移動中もとても楽しい道順でした。
唐津周辺は、関東の感覚からすると熱海と勝浦が合わさったような印象で、漁港とリゾートが同居しているエリアです。

呼子港から加唐島までは定期船で約20分という近さです。しかし、加唐島の宿泊施設は民宿が1軒だけ。今回は日帰りということもあり、朝一の船で渡り、夕方の船で帰る予定です。そして、朝一のフェリーは8:00発なので、6:00過ぎの真っ暗な福岡の市街地を出発というかなり早起きの移動でした。

定期船かから丸は、甲板にも出られてそこで優雅に加唐島を目指す。と思いきや、かなりの揺れが!!

ちょうど波の荒い日だったのか、大人も立っていられないほどの揺れで、子どもたちにとっては大冒険のアトラクションでした。

加唐島に到着

加唐島に到着すると、島の子どもたちと多数の猫がお出迎えしてくれました。
加唐島は猫島と呼ばれるほどで、島民は100人に満たないのですが、猫が300匹ほどいるそうです。加唐島では、法や条例で規制があるわけではないのですが犬を飼わないという暗黙のルールがあるそうです。犬を飼わなくなった理由は、島にある八坂神社という神社に由来があるようで、「供え物を犬が食べた」「馬に乗った神主の脚を犬がかんだ」「犬が神主におしっこをかけた」「犬が神殿の柱をかじった」など諸説あり、どれが正しいのかは不明です。

島民や釣り客に慣れているためか、島の猫はかなりフレンドリー。カサカサというビニール袋の音に敏感で、すぐに着いてきます。

加唐島は南北に伸びるやや縦長の島で、北と南に集落がある様子。
島には診療所があるものの病院はなく、大きな怪我や病気の際にはドクターヘリが飛んでくるため、ヘリポートも設置されています。

島にはいわゆる「商店」が存在せず、港周辺も含め、買い物はほぼできません。
テレビで見るような「離島」がそこにはありました。

SelfishでUALの活動を開始

今回の体験イベント「ソウゾウ」は、加唐島唯一のカフェ「Selfish(https://www.instagram.com/taishinmaru3033/)の協力の下に行われました。Selfishを立ち上げられた井川えりなさんは、お母さまとカフェを運営していますが、本業はジュエリーデザイナー。島にまつわるものなどをモチーフにした作品をカフェでも販売しています。
「Selfish」は古民家をリノベーションした建物で、リノベーションはなんと、えりなさんご一家と島の民宿「ゆうすげ」のオーナーご夫婦で行ったそうです。えりなさんは数ヶ月の体力仕事で、身体がバッキバキの筋肉質になったそうです。

えりなさんを、UALの加唐島支部長に任命し、今回は「加唐島のUMA」という、島の困りごとは実はUMAのせいなんじゃないか?そのUMAを発見しよう!というイベントを行っていきます!

UMAアドベンチャーラボの代表の「すぐる隊長」ことLightgear社の山本さんもワクワクしています!

今回の「ソウゾウ」は、島の困りごとを具現化することもテーマの一つ。そのためには、島のことを知ることが第1歩。えりな支部長と、島民のソウシ君を先頭に島の探検をスタート。
島には、すぐる隊長が事前に発見したUMAのレプリカが8体配置されており、そのUMAを捕まえる捕獲体験をしながら島を周ります。

UMAの捕獲は、当社の「いろいろらいん」を活用した「UAL捕獲システム」の出番です。スマートフォンのLINEアプリでQRコードを読み取り、UMAを捕まえます。8体のUMAのうち、5体のUMAを捕獲すると認定証がもらえるという仕組みです。

加唐島探検に出発!見つけ出せ!UMA!

とにかくロケーションが良い!海、空、猫、港…。
こんな素敵な場所に地域の問題などあるのでしょうか…。

あ!!!
ものすごいゴミが…。

加唐島には、このような空き缶などのゴミだけでなく、釣り客の残す排泄物とトイレットペーパーの問題もあるそうです。
港周りは釣り客がたくさんくるのですが、トイレが少ないということもあり、一部の方が野外で排泄してしまい、そのゴミが問題に…。
小さな島にはゴミ処理場はないので、月数回、本土から船でゴミ収集車を運び、ゴミ回収をするそうです。もちろん費用もかなりかかるそうです…。
釣り客のマナーは気になるところですね。
これもまさかUMAのせいか…?!

このような地域課題をえりなさんに語ってもらいながら島を巡ります。

島には商店的なものもなく、えりなさんのカフェができるまでは、飲食できる場所もなかったそうです。
そんな島の憩いの場の一つがこの自販機!
なんと、この自販機たちが、カフェとして使われていたそうです。
1台だけ目新しい赤い自販機は、古い自販機が壊れたから最近入った新人店員だそうです。
そして、驚くことに横の2台。なんと、冷やす機能が壊れているので、ビールも日本酒(ワンカップ)も、常温での提供となります!
こ、これもUMAのせいか!?

自販機の隣には大量の猫が。
まさか…カフェ(自販機)+猫=猫カフェ、、、アウトドア系猫カフェ?!

また、島には空き家が多いのですが、空いているならリノベーションして移住を!というような簡単な問題でもないとのこと。基礎部分がダメになってしまっている空き家が多く、解体するしかないという状態だそうです。
そのため、島留学を希望する家族を呼び込むには「空き家」ではなく「使える空き家」が必要とのこと。
リノベーションするにしても、建材は本土から船で運ばないといけないので、大変な作業になるそうです。

というか、なぜ子どもたちは空き家の前でお地蔵さんみたいになっているのか…。

なるほど。島にはお地蔵さんが結構あるんですね。
八坂神社、四国第十番切幡寺加唐島出張所や愛宕神社、金比羅宮なども。

また、加唐島には「お大師参り」という伝統行事があり、子どもたちが家々をお参りし、お参りのお礼のお菓子を受け取るという、ハロウィンのような催し物とのことです。

島の子どもたちは、今年は小学生が5人、中学生はいないとのことです。これだけ少人数で、顔のわかる関係だからこそできる良い伝統行事なのでしょうか。

八坂神社にお参りを。
八坂神社周辺を含め、島全域でイノシシが出るそうです。驚いたのはそのイノシシたちは海を自力で泳いで渡ってきたとのこと。今でも、風と潮を読んで、ときおりイノシシが泳いでくるそうです…。
イノシシは農作物を荒らしてしまうため、農園を持っているカフェの困りごとでもあります。また、島の特産品である椿油を取るために山に入る際の危険性も上がってしまいます。果たして本当にこれはイノシシのせいなのか?まさか、UMAのせいなのか?!

そして、かなりの急階段などを登りきった先には、絶景とすぐる隊長のUMAレプリカが。

無事、UMAを集めて認定書をゲット!

島内探検を通して、UMAレプリカでのスタンプラリー、そして島の課題の発見を完了。

食せ!島の食材!

探検から無事にSelfishに戻ると、えりなさんとえりなさんのお母さまが島で釣れた魚を使ったお寿司を握ってくださっていました。

この日の魚は、アジ、カナヤマ、イカ、ヒラスズキの4種。
アジは、前日にえりなさんが極寒のなか、泣きそうになりながら釣った魚だそうです!

九州特有の少し甘い醤油をつけていただきました。

探検したあとのご飯はとてもとてもおいしい!

島の問題はUMAのせい?UMAの具現化!

ここからが「ソウゾウ」の真骨頂である「UMAの具現化」です。
島を周りながら聞いたりで見つけたりしたことを想像しながら、樹脂粘土でUMAを創造していきます。

すぐる隊長の説明にも熱がこもります!
どんなUMAがいたのか、それぞれが見つけた加唐島のUMAがだんだんと形に!

私も1つ制作…。島にはテレビでよく見るようなブイ(浮き具)が打ち上げられていたり、それがゴミのようになっていたり。

このブイ、実は海から来たのではなくてUMAが口から生み出しているのでは?!

こんな感じで、想像して創造していきます。

たくさんのUMAが完成しました。
参加者それぞれが歩いて、聞いて、見て、、、いろいろな想いがUMAとなって見えてきたようです。

UMAを持って、2回目の島を周り!

UMAは作って終わりではなく、UMAを持って、UMAが発見された場所に!

こんな感じです。

大人も真剣になってUMAと猫の写真を撮ってみたり…。

ぬるいお酒が出てくる自販機に問題を感じた子は自販機と一緒に写真を撮ったり。

こうして、島で起きている様々な事象をUMAという形で具現化して、UMAという生き物として見て、UMAと一緒に島を周ることで、その問題を愛せたり、逆に決別できたり、気持ちの整理がつけられたり、より大きな問題に感じられたりと、いろいろな感情が生まれてきます。

撮影後は、UMAの説明文等を考えてレポートとしてアップロードしていきます。

あっという間の8時間

8:00呼子港発の船で加唐島に来ましたが、帰りは16:30加唐島発の最終便で呼子港へ帰ります。
あっという間にその時間が訪れてしまいました。

島の子どもたちの見送り。

最近涙腺がゆるいすぐる隊長は、涙を堪えるのに必死でした。
こうして、加唐島のイベントは終了しました。

イベントの感想

今回は「ソウゾウ」として初めての離島でのイベントでした。
過去の回では、その土地の問題や課題を具現化するのではなく、自身の困りごとの具現化をテーマに行いましたが、その土地のことを地元の方たちに聞くというのは大変貴重な体験でした。

多くの観光客向けのイベントなどでは、その土地の問題や課題を見せることはなく、どちらかといえば隠しながら、魅力を訴求していきます。しかし、この「ソウゾウ」は、土地の魅力を感じつつ、その課題も見つけ、具現化し、課題ごと愛してしまうようなイベントです。
えりなさんにもその点をご理解いただいていたので、島の良さと課題のそれぞれを熱く語っていただき、普通の観光では絶対に知ることのできない一面を見せていただけたことは、かけがえのない経験でした。

また、観光地でのイベントというとその土地のコンテンツを楽しむ、というものが多いですが、「ソウゾウ」では、その土地の何かを材料としつつもコンテンツ(ソウゾウのプログラム)は島外から持ち込んだものになります。そのため、参加者は島外の人だけではなく、島民の皆さんも一緒に参加していただきました。自然に島の内外の方が交流できるという点でも大きな可能性を感じました。

交流に必要なことは、もてなす側ともてなされる側という役割がはっきりしてしまう状況をいかにファジーにするか、ということかもしれないとも感じました。一緒に楽しむことで、本音を言い合えるような交流ができるのかもしれません。

UMAアドベンチャーラボは、UMA(未確認生物)をテーマに活動しています。未確認生物は、未確認であるがゆえに、場所や人を問わない変幻自在なコンテンツとして、いろいろな場面で活用できます。また、紙粘土での工作は老若男女、誰でも楽しめるものです。
特に、UFO特番で胸を踊らせていた1970年代や1990年代にかつて少年少女だった大人ほど、目を輝かせながら思い思いの生物を作り出しています。子ども向けイベントのようで、実は大人ほど楽しい。「ソウゾウ」にはそんな魅力を感じることができました。